東京の片隅から
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小川洋子「博士の愛した数式」読了。 なぜか未読で(たぶん読もうと思っていたら映画化されてしまい何となく読む機会を失った)今更ではあるが。 この地味な佳作を選ぶなんて「本屋大賞」なかなかやるじゃん、と思った当時の記憶が蘇る。今じゃずいぶん遠くに来たなぁと遠い目。
短いこと、文章が静かで心に入りやすいこと、章立てが電車の中で読むペースに丁度良く、3日ほどで読み終わった。 「わたし」と「ルート」と「博士」と「未亡人」と、固有名詞が出てこないが故のイメージの豊かさ。 しかし30手前でこの「私」の心の強さ静かさはどうだ。いろいろな人生経験を経てきているからだけではない、最初から人生の夕方にいるような雰囲気に、この作品はフィクションなのだと強く感じる。
余談。 「あのころ」に小学生だったルートは私よりちょっと下なわけで、あの頃教員採用試験は全国どこでもとんでもない倍率だった。(ちなみに私が受験した年は、東京都の公立高校地理歴史の倍率は250倍以上。採用予定数1人だった記憶がある。)そんななか新卒で採用試験に合格するって、ルート君はかなり優秀なんじゃないかと!
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