東京の片隅から
目次きのうあした


2013年09月10日(火) 大野麥風展

会社を半休して、東京ステーションギャラリーで開催中の大野麥風展に行ってきた。
図鑑などに使われる博物画の人。敢えてジャンル分けすれば日本画になるのか。
スタートは洋画の人らしく、そこら辺は絵を見ていて納得。
江戸時代の本草画家の作品も展示されていたのだけど、同じ画材を使っていても明らかに筆致が異なる。その違いは洋画の影響を受けているか否かなんだろうなぁ。

博物画といっても行儀良く並んでいるわけではなく、水草や岩などの背景も含め生きているときの生態を描いているのが特徴的。

見ているこちらは「ああ美味しそう」なんて不謹慎なことを考えていたが(笑)
戦前に頒布会形式(要するにディアゴスティーニ方式?)で発行された版画がすごい。木版画200回刷り(ほんとか?)とか。ここで一番偉いのは刷師ですな。
その版画集が発売されたときについている解説がこれまた面白い。
図鑑的な素っ気ないものではなくて、愛があふれすぎていて(笑)「海の女王」とか「川の女神」とか「釣っても面白みはない」とか「稚魚は海に帰してやるべし」とか、食べるのも釣るのも見るのも好きなんだろうな、本当に魚バカの人が書いたんだなぁと。読んでいるこちらがニヤニヤしちゃうよ…!

他の博物画家の作品も展示されていたのだが、最近の方で、杉浦千里さんという人の甲殻類が凄かった。もう写真を超えている。小さなトゲの影まで塗り分ける技術、ただ描くだけでなくエビの髭の画面への納め方までこだわった美学、若くして亡くなったのが惜しまれる。

久しぶりに絵はがきを沢山買ってしまった。
新しくなったギャラリー(建物の中の位置も変わったはず)、既存の空間を生かしてでも作り込みすぎない改装具合が良い。床が無垢板なのも良い。
次回は植田正治だそうで、これも楽しみ。でも行かれるかな・・・


はる |MAIL