東京の片隅から
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| 2012年08月22日(水) |
伊藤計劃「虐殺器官」 |
伊藤計劃「虐殺器官」読了。 ゼロ年代SFの傑作と評される作品だが、作品を覆う空気感は確かに9.11以降3.11以前のもの。(あの地震以降はSFもたぶん違うかたちに変容していくと思う。) 読みながら主人公の心理に既視感があったのだが、じわじわと浸食される感じが黒沢清「CURE」に似ているのだった。 主人公に共感できない、というか、共感したくないのだが、彼が抱く感情は確かに自分の奥底にも巣くっているもので、それをじわじわと暴かれる。 でも不快でないのは、淡々と乾いた文体によるものなのか。 兵器などのディティールは基本的にはSFなのだが、それでありながらも人の心理などは奇妙にリアルで、昨今の世界情勢を見ると、ジョン・ポールは今も生きていて世界のどこかで人々にささやき続けているのかもしれない、そう思わせられる。
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