東京の片隅から
目次きのうあした


2011年12月21日(水) 冬至の前に

会社の休憩室に柚子が山盛りになっていた。誰かが自分の家から持ってきたらしい。
一つもらって帰る。鞄の中で仄かにいい香りがする。

不意に上の子どものことを思い出す。
面会に行ってもほとんどの場合は目を閉じていたのだが、ふとした拍子にこちらをずっと見ているときがあった。静かなまなざしだった。
チューブのせいで泣き声を聞くこともなかった。
いや、一度だけ聴いたような気がする。かすかな声。でも他の子どもの声だったのかもしれない。
私によく似た顔立ちだった。


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