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2004年01月13日(火)
◆美術展 〔ハHAピPPIネNEスSS〕ハピネス〜アートにみる幸福への鍵〜 (04/01/15up)


たまには美術展の感想を。


◆森美術館「ハピネス展」


六本木ヒルズにある森美術館の開館記念展「ハピネス展」が1月18日までという事で、あわてて見にいく事にしました。いやぁ〜本当に面白い企画展でした。

足音が響きすぎる床と、入口あたりで聞こえてくる音は少々気になりましたが、全体的にゆったりとした展示で、内容も満足できました。
世界中のアーティスト(作者不明なものもある)の古い時代のものから現代アートまで、そしてジャンルを超えたあらゆるかたちのアート(映像作品、ファインアート、写真、造形作品、仏像etc...)が渾然一体となって「幸福」をテーマとした作品として展示するといった企画。

現代日本人作家も多く参加していて、草間彌生、宮島達男、森村泰昌、荒木経惟、六本木ヒルズを手がけた村上隆、他...。
海外からは、モネ・ピカソ、マネ、マティス、セザンヌ、ゴーガンなど名画とされているものから、トマセーリ(今回気に入りました)などの現代アート多数、ルネ・クレールなどの映像作品や彫刻、古い掛軸や屏風、曼荼羅、仏像、そしてインド、韓国、中国などアジアのアートもたくさん展示されていました。

では、テーマである「幸福」とは?ということですけど、この感覚は人それぞれで違いますね。
作家がその作品に「幸福」を求めてたり、または表そうとして制作したのかというのも、他人には本当は解らない。
でも美術展を見た私には、時代やジャンルがバラバラな展示品に色々な意味の「幸福」を見出しましたし、感じ取れました。

展示方法は、例えばアメリカンアートで、生活感や家族の幸せを表しているような作品の横では、時代も国の場所も違っている阿弥陀如来像がゆったりとした面持ちで展示されています。全てを受け止め沈静してくれる“癒し”という「幸福感」を感じました。
或いは、ターナーやモネ等の美しい絵画が展示されているなか、北斎や春章春画(性的な姿を描写した版画)もあり、これも「幸福感」のひとつだなと感じます。

オノ・ヨーコの「APPLE」という作品では、アクリルの展示台の上にリンゴが置いてあるだけ。 鑑賞する人は「これは何?」と気になります。
私の近くにいたオバサマ達は、「このリンゴは本物かしら?腐らないの?」「この台が作品かしら?」と楽しそうに笑顔で会話していました。 “人々が興味を持って会話するこの時間” 、これも「幸福」のひとつなのかなんて考えたり...。
(解説によれば、展覧会会期中にしなびて種の状態になっていくリンゴの姿に、生から死、そして再生を繰り返す自然のサイクルを意識した作品とか...)

オノさんの他の作品では、実際に来場者自身に参加を促進させるメンド・ピースと呼ばれるものもあり、壊れた皿などを組み立てさせ、それを展示していくという体験をすることも出来ます。


展示品が皆それぞれに「あなたにとって幸福とはなんですか?」の問いかけに、色々なかたちで表してくれている、そして考える時間を与えてくれる、そんな美術展でしたね。