HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館

夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2005年05月25日(水) --

TOP:夢の図書館新館全ての本

『美人の日本語』

365日の一粒一粒を、きらきらと輝かせる言葉の カレンダー。 原稿用紙一枚のエッセイが、長さほどよく、 近く遠く、奥行きをもって立ち上がる。 読む人は日々のタイトルにまつわる知識を拾い、 また得るのはそれだけに終わらない。

たとえば今日、5月25日は、「一入」(ひとしお)。 なぜこの言葉にこの字を当てているのだろう、と 思ったことはあるけれど、調べてみたこともなかった。 もともとは、染料の壺に、布を入れる、その一回分の 意味なのだそうで、なるほどと納得する。

そして、色は浸すごとに深く、魅力的にもなってゆく。 そのことに読者への励ましも一つ、入っている。

著者は音楽教室で教え、作詞や作曲のかたわら、 夢子さんというハンドルでメールマガジンを出しているという。 この本も、ネットで生まれた世界が活字になったもので、 新聞の書評を読んで手に入れた知人から教えられた。 作詞をしている関係で、集めていたアイデアノートが メールマガジン発行のヒントになったそうだ。

365のエッセイは、とりわけ書き出しに鮮度があって、 最後まですっと読ませてくれる。 人生の肯定と応援を込めたメッセージで結ばれていることも 多くて、毎朝読むのを習慣にしたいような本。 知っている言葉の奥にも未知の豊かさを広げてくれ、 知らなかった言葉の意味に感動を深める。

装丁も美しい。見ていて幸福ですらある。 (マーズ)


『美人の日本語』 著者:山下景子 / 絵:吉富貴子 / 出版社:幻冬舎2005

2004年05月25日(火) ☆猫好きがほっとする広告。

>> 前の本蔵書一覧 (TOP Page)次の本 <<


ご感想をどうぞ。



Myエンピツ追加

管理者:お天気猫や
お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]

Copyright (C) otenkinekoya 1998-2006 All rights reserved.