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365日の一粒一粒を、きらきらと輝かせる言葉の カレンダー。 原稿用紙一枚のエッセイが、長さほどよく、 近く遠く、奥行きをもって立ち上がる。 読む人は日々のタイトルにまつわる知識を拾い、 また得るのはそれだけに終わらない。
たとえば今日、5月25日は、「一入」(ひとしお)。 なぜこの言葉にこの字を当てているのだろう、と 思ったことはあるけれど、調べてみたこともなかった。 もともとは、染料の壺に、布を入れる、その一回分の 意味なのだそうで、なるほどと納得する。
そして、色は浸すごとに深く、魅力的にもなってゆく。 そのことに読者への励ましも一つ、入っている。
著者は音楽教室で教え、作詞や作曲のかたわら、 夢子さんというハンドルでメールマガジンを出しているという。 この本も、ネットで生まれた世界が活字になったもので、 新聞の書評を読んで手に入れた知人から教えられた。 作詞をしている関係で、集めていたアイデアノートが メールマガジン発行のヒントになったそうだ。
365のエッセイは、とりわけ書き出しに鮮度があって、 最後まですっと読ませてくれる。 人生の肯定と応援を込めたメッセージで結ばれていることも 多くて、毎朝読むのを習慣にしたいような本。 知っている言葉の奥にも未知の豊かさを広げてくれ、 知らなかった言葉の意味に感動を深める。
装丁も美しい。見ていて幸福ですらある。 (マーズ)
『美人の日本語』 著者:山下景子 / 絵:吉富貴子 / 出版社:幻冬舎2005
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管理者:お天気猫や
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