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I can't get no, ・・・・satisfaction(あれっ!?)
王様ロックバンドのリーダー兼ヴォーカリストは、本物の王様。 ローリング・ストーンズの「サティスファクション」のサビで、 どうしても「、サ…」と正しい『ま』でシャウトできない。 とくれば、どうしても読みたくなる。
そんな王様のお得意は、弾き語りのバラード。 リズム音痴なのに、バラードだけは人の心をとかす。 なかでもビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」がお気に入りだ。
しかし、王様は大切なお披露目コンサートで大失敗をしてしまい、 ついに恥ずかしさのあまり、お城を出奔してしまった。 すでにこの行動からも、王様は生まれつきのミュージシャンである。 王様の仕事よりも、ミュージシャンとしての誇りを 選んだのだから。 やがて王様の集めたバンドも、ハードロックに走ったエレキギター担当の 宮中顧問官、シュロート博士に乗っ取られてしまう。
お城を出て、身分を隠した王様は何になるのか? 自分の居場所を見つけ、音楽で食べてゆけるのか? バンドはどうなる? ちょっと心細いけれど、風来坊となった王様と 一緒に旅してみてはじめて、 ミュージシャンにあこがれる感覚や 音楽が人の心にしみいる理由が、少しわかる。 路上でライブをやっている人の覚悟みたいなものも。
全編、60年代の名曲が鳴り響き、 ミュージシャンの名前が飛び交う。 ロック好きなら、周到に繰り出されるそれらの懐かしい名前に、 うっとりして微笑み、嘆き、ときに怒りもするだろう。 本物のBGMを用意して読むのもいい。
巻末には、彼らが曲をコピーしたり、本人が登場したりする ロックミュージシャンの解説付き。 (マーズ)
『王様はロックンローラー』 著者:フォルカー・クリーゲル / 訳:恭子・シュレヒト、ヴォルフガング・シュレヒト / 出版社:ブロンズ新社
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管理者:お天気猫や
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