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金子みすヾの、この童謡詩集を買ったのは 山口県の萩にある古書店でだった。 旅先で、なんの気なしに手にとったのだ。 わざわざ古書で買わなくても、好きなのだから 新刊を買えばよいものを。 そこにその本がずっと置かれているのなら、 私がと思ったのかもしれない。 今思えば、みすヾの郷里も山口県とあって、 なんだか縁を感じてしまう。
金子みすヾの復権を思うと、 世のなかはそういうふうにできていると改めて思う。 非凡な才能は、いつか再び見られる日がくる。 同世代のなかで、やがてうずもれてしまっても、 いつか、時の向こうで、 新しい読者が待っているのだ。
みすヾの詩ったことばは、 光で織られている。 読むほどに、それぞれの胸に 住処を見つけて人生の友になるだろう。
ひとつだけ言わせてもらえば、 彼女のものの見方は、太陽の光のように すべての方向から放射されている。 アマテラス─創生の女神にも似た、日本という 場から無限に生まれてくる、許容のエネルギー。 だから私たちは、ただ受け取ればよいのだ。 美しい日本語にのせた、女神の想いを。(マーズ)
『明るいほうへ』 著者:金子みすヾ / 出版社:JULA出版局
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管理者:お天気猫や
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