HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館
1931年、恐慌はそこかしこに暗い影を落とす。 詐欺師のコンビ、ガイとマックスの上にも同様に。 のっぴきならないところまで追い詰められ、 アメリカからイギリスへ逃げ帰る、その船上からはじまる 恋と裏切りと、「あの戦争」の残した傷跡の物語。
単なる詐欺師の恋と裏切りの話だと思って読んでいると、 やがて、ストーリーは大きくうねりはじめる。 ちょっと形が小さいけど、Keyは「◎」 (読み終われば、この意味はわかります。) 今こうやって、書きながら、 ストーリーの巧みさ、構成のうまさをしみじみ感じている。
それだけでなく。 舞台は70年前のイギリスとはいえ、 私の大好きなイギリスの姿を垣間見ることができ、 思わぬ収穫があった。 特に詳しく描写されていたわけではないが、 なじみの駅名がぽんぽん出てきたり、 イギリスならではパブやクラブの情景が出てくると、 またイギリスに行きたいなあと、イギリス熱も高まろうというもの。 イギリスの好きな人には、特にお薦めといえる。
さらに。 舞台はイギリスではなかったが映画『スティング』を 懐かしく思い出したりもした。 『スティング』よりは、ずっとビターであるが。
何だか思いもよらなかったおまけ満載。 それが、私にとってのこの本の魅力。(シィアル)
『閉じられた環』(上)(下) 著者:ロバート・ゴダード / 出版社:講談社文庫
>> 前の本 | 蔵書一覧 (TOP Page) | 次の本 <<
管理者:お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]