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書名の「レッド・デス」は、 「ペスト」、つまり「黒死病(=ブラック・デス)」からつけられている。 中世ヨーロッパでは、たびたび黒死病が大流行し、 多くの村がペスト禍に飲み込まれていったのだ。 元来はノミを介するネズミの伝染病だが、 人間に対しても伝染力は強く、きわめて致死率も高かった。 潜伏期間が1〜7日ほどあるので、旅人が感染源となって、 さらにペストの被害をより遠くの村まで広げてしまったという。
もし、そんなことが現在起こってしまったら・・・。 それが、この「レッド・デス」 南極の氷中から発掘された十万年前の オオナマケモノの中で生き続けていた猛毒のウイルスが、 瞬く間に地球規模で猛威を奮い、 人々をむごたらしく、食いあさっていく。 政治は混乱し、無法地帯と化し、 恐怖の中で、人間は理性を失い、 さらにパニックは拡大し続ける。 このような恐ろしいウイルスを前に、 人類に勝機はあるのだろうか?
絵空事だが、絵空事とは言い切れないリアリティを感じる。 現実の世界でも、恐ろしいウイルスが次々と出現する。 エボラウイルスなどのように、突発的に現れ、 その恐ろしさを見せつけるだけ見せつけて、また潜っている 未知のウイルスが地球上には一体どれほどあるのだろう。
人間であるということは、いかにもろいことかと、 肉体的な面だけでなく、理性や精神的な面からも痛感した。(シィアル)
『レッド・デス』 著者:マックス・マーロウ / 出版社:東京創元社
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管理者:お天気猫や
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