[ 月刊・夢の図書館 ] * 読書特集 & ブックトーク *


☆2月の本:優しい時間。春を待つ時間。

暦の上では春といっても、見上げる空はまだ鈍色の冬の空。
外に出かける用事も、そそくさと切り上げて、本を開いています。
書棚に向かうと、
北風の強さも忘れて胸が躍る、冒険小説や歴史小説や、
心の底までじっくりと暖めてくれるような、そんな物語を選びます。

今年はスタートから、いろんな良い本を教えていただきました。
ちょっとした思いこみで、今まで手に取ることもなかった作家の本が
今では、お気に入りの作家のひとりです。
これまでの思いこみのイメージとは全く違い、
私自身が好んでずっと探していた世界がありました。
すみずみまで、作者の愛情と暖かさが行き渡った世界。
主人公たちと共に時間を共有するよろこび。

お気に入りの作家が増えて、
今年の読書の楽しみも増えました。




暖かな部屋で、春をまつ間に開く本は…?

「光草-ストラリスコ-」
著者:ロベルト・ピウミーニ / 訳:長野徹 / 出版社:小峰書店

たとえば、山小屋のような一軒の家。
その家にあるはずの、暖炉の前のソファーに座って、
もういちどこの本を読みたい。(20011031)


「キャノン姉妹の一年」
著者:ドロシー・ギルマン / 訳:柳沢由実子 / 出版社:集英社文庫2004

一番の魅力は、「安心感」
それぞれに傷を抱えた二人が、やがて癒され、
大切なものを自分の中に見いだしていく過程が素敵。(20050125)


「ハゴロモ」
著者:よしもと ばなな / 出版社:新潮社2003

静かな優しさに満ちた、おとぎ話。
忙しくてくたくただけれど、
ほっとする何かにふれたい時に、おすすめ。(20030829)


「スコットランドの早春」
著者:ロザムンド・ピルチャー / 訳:中村 妙子 / 出版社:日向房1998

冬のスコットランドの降り積もった雪の厳しさから、
すぐそこまで来ている春の気配まで、自然を楽しみつつ、
ピルチャーの描く、「家」そのものにも心惹かれる。(20040615)


「イギリス 花の庭」
著者:広田せい子 / 出版社:講談社文庫

子供の頃にはよくわからなかった、児童文学などの舞台になる「庭」が
実際にはどんな姿をしていたのか、目で見て判るのも嬉しい。
いつか最上の「庭」を訪れる日を夢見つつ。(20030528)
by お天気猫や
2005年03月08日(火)

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