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2006年06月29日(木) 犬は犬しか見てない

以前、仕事でお客さんの家にチラシを配りに行っていたことがある。
まあ、チラシ配りといっても、お客さんにチラシを手渡しするわけではなく、ただポストに入れるだけだったのでそんなに嫌な仕事ではなかった。

とはいうものの、一つだけ困っていたことがある。
それは犬である。
ジッと大人しくしていればばいいものを、人の姿を見ると必ず吠えてくるのだ。
ぼくは犬が恐いわけではないのだが、それでも吠えられるとドキッとしてしまう。
そこが静かな住宅街だと、不審者と思われるのも嫌だ。
だから、門や玄関に『猛犬注意』などという張り紙がしてある家には、なるべく近づかないようにしていた。

さて、その犬のことだが、ある時、面白いことを発見した。
やはりチラシを配っている時の話だ。
ある家にチラシを入れようとしていたら、突然「ウー」という唸り声が聞こえた。
そこには『猛犬注意』などという張り紙がしてなかったため、つい油断していた。
「あ、やばい」と思った瞬間、大きな犬がダッシュでぼくの目の前に走ってきて、例のごとく「ワンワン」と吠えだした。
幸い、ぼくと犬の間には柵がしてあったため、噛みつかれるようなことはなかった。
が、その大きさに圧倒された。
そこで、さっさとチラシを入れて、そこから立ち去ろうとした。

ところが、ぼくがチラシを入れ終わった時、その犬は元いた場所に戻っていった。
そして、垣根から口だけ出して「ワンワン」吠えだした。
吠える対象はぼくではない。
「おかしいな」と思い、その犬の見ている先を見てみると、そこに一匹の野良犬がいた。
野良犬のほうも、負けじと吠えている。

そこでふと気づいたのだ。
自分が不審だと思った人間にはいちおう吠えるが、それは他に対象がなかった時だけのことだ。
もしそこに他の犬がいたら、不審者なんてもうどうでもよくなるわけだ。
かつて、親戚の家で犬を飼っていたことがあるが、その時も他の犬を見つけると、いくら飼い主が制しても言うことをきかなかった。
つまり、基本的に犬は犬しか見てないということだ。

ぼくは小さな犬が歩いていると、「チ、チ、チ」と呼ぶことがよくあるが、犬のほうはいちおうこちらを見るものの、すぐにそっぽを向いてしまう。
おそらく、「ちっ、人間やないか。人間なんかに用はないわい。それよりも犬はおらんかのう」などと思っているのだろう。


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