頑張る40代!plus

2006年05月06日(土) 上履きの臭い(後)

3週間を過ぎた頃だった。
午前中の作業を終えて手袋を外した時、どこからともなく臭いがしてきた。
「ん?何か懐かしい臭いだ」とは思ったが、その時は気にならなかった。

ところが昼食時に、その臭いがだんだん強くなってきた。
そこでいったん食事を中断し、臭いの根源を探ってみることにした。
まず身の回りのものをチェックしてみたのだが、臭いはそこからするのではなかった。
「もしかして足か?」と靴を脱いでみたが、そこでもない。
そうこうしているうちに、臭いは消えた。

「やはり気のせいか」と思い、また箸を持って弁当を食べようとした。
その時だった。
またしても臭いがしだしたのだ。
どうも臭いは手から発しているようだ。
だが、手のひらは臭わない。
「もしかしたら」と、今度は指を嗅いでみた。
ここだった。
それがわかると同時に、懐かしい臭いのことも思い出した。
上履きの臭いである。

「しかし、何で指が臭くなるのだろうか」
考えてみたら、思い当たる節がある。
手袋の素材は綿とゴムである。
そう、上履きの素材と同じなのだ。
汗で蒸れたせいで、小学生の頃と同じように、中が腐ってきたというわけだ。

ということで、食事が終わってからさっそく手を洗い、そのついでに手袋も洗った。
手袋の中に水を入れると、黒いカスが浮いてきた。
手袋を裏返すと、思った通りで、中は思った通りボロボロになっていた。
そこで新しい手袋を買いに行ったのだが、そこには同じ手袋しか置いてなかった。
「これもまた2週間しか持たんよなあ…。結局は高いものについたわい」
と思いながら、ぼくはその手袋を買ったのだった。


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