一昨日のこと。 ぼくが出かける時、嫁ブーが「今日は棚卸しやけ、ちょっと遅くなるけね」と言った。 「何時頃になりそうなんか?」 「うーん、よくわからんけど…、夜10時半過ぎるかもしれん」 「10時半か…」 「お迎えいい?」 「ま、いいか。明日は休みやけ」 「じゃあ、お願いします」
夜になった。 6時前に帰宅したぼくは、ギターを弾き、長めに風呂に入り、軽く食事をとった。 それでもまだ8時を過ぎたばかりである。 10時半まではあと2時間ある。 そこで、寝て待つことにした。 電話の呼び出し音が目覚まし代わりである。
しかし、電話を待って寝ていると、なかなか熟睡は出来ない。 何度も何度も目が覚めるのだ。 そうやっているうちに10時になった。 まだ嫁ブーからの連絡はない。 そこでまた目を閉じた。
次に時間を確認したのが、11時だった。 しかし、まだ嫁ブーからの連絡はない。 「何しよるんかのう」などと思いながら、また目を閉じた。 それからは数分おきに目が覚めた。 が、何度起きても、嫁ブーからの連絡はない。
そうこうしている間に、とうとう12時を過ぎてしまった。 すでにぼくは怒りモードに入っていた。 前にも何度か12時を超えることがあったが、いったい嫁ブーの会社は、「次からそういうことにならないように」といった工夫はしないのだろうか? いや、きっとしないのだろう。 おそらく「棚卸しは遅くなるもの」と決めてかかっていて、だから何度遅くなっても何とも思わないに違いない。
結局、嫁ブーから電話が入ったのは、12時40分を過ぎていた。 それから迎えに行ったものだから、家に帰り着いたのは1時10分になっていた。 翌朝8時20分に送っていったから、嫁ブーが家にいた時間は7時間10分ということになる。 その7時間10分の間に、晩飯を食べ、風呂に入り、就寝し、顔を洗い、朝食をとり、出かける準備をしなければならないのだ。
芸能人ならともかくも、堅気の仕事では考えられないことだ。 そういう会社が東証一部に上場しているのだから恐れ入ってしまう。 少しは家族の迷惑を考えろというんだ。 これではせっかく早帰りが出来ても何にもならないじゃないか。
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