以前ある人から、「ハンドルネームは『しろげしんた』ですか。ははは、おかしいですね。もっと気の利いた名前はなかったんですか?」と言われたことがある。 余計なお世話である。 気の利いたハンドルネームをさんざん考えた末に、このハンドルネームに行き着いたのだ。 その途中の事情を知らない人からとやかく言われたくない。 このハンドルネームがしっくりいっている理由は、そのまんまだからである。 何がそのまんまかというと、このハンドルネームはぼくが白髪頭だから出来た名前で、『白毛+本名』という構成で成り立っている。 これほどわかりやすいハンドルネームはないだろう。
その人は続けた。 「ほら、ハンドルネームといえば、よくアルファベットで書かれているじゃないですか。例えば『Jhon』とか『Paul』とか。そういうのは考えなかったんですか」 「考えんかった。別にIDじゃないんやけ、その必要はないやろ。日本人ならちゃんと日本の文字を使わなね」 「そうですかねえ。何かピンとこないなあ」 「あんたがピンとこんだけで、他の人は充分にピンときとるよ」 「ふーん。でも何かなあ…」
この人は、ぼくに『Jhon』とか『Paul』とかいうハンドルネームを付けてもらいたかったのだろうか。 もしそうなら、それこそお笑いである。 いったい彼は、どういうセンスをしているのだろう。 ぼくのどこが『Jhon』なんだろうか。 『Paulしんた』…、ぼくは指パッチンはできない。
「あんた『しろげしんた』が気に入らんとね?」 「いや、気に入らんことはないんですけど。『しろげしんた』という名前はけっこう知られているみたいですし…」 「それなら、いいやん」 「それはそれで置いといて、もう一つハンドルネームをどうかと思って」 「ローマ字のハンドルネームなんかいらん」 「いや、ローマ字じゃなくてもいいから、おかしくないやつがほしいなあ」 「何でハンドルネームにこだわるかなあ」 「それはですねえ、日記は『しろげしんた』でかまわないんですよ。でも、しんたさんのホームページはそれだけじゃないでしょう。詩や歌があるじゃないですか」 「うん」 「ぼく、けっこう好きなんですよ、あの手の詩や歌が。でも、あれを『しろげしんた』でやられるとねえ。何か価値が下がるような気がするんです」 「おれはそうは思わんけど」 「いや、あれだけ真面目な詩や歌を書いている人の名前が『しろげしんた』なんて、興醒めするじゃないですか。ね、詩や歌だけでかまわないから、もっとまともなハンドルネーム付けてくださいよ」
もう一つのハンドルネームねえ…。 そういえば、ハンドルネームを10個以上持っていると言って、自慢している人がいたなあ。 しかし、『しろげしんた』ひとつでさえ苦労したのに、もう一つ考えるとなると、けっこうエネルギーを使うだろう。 そんな暇があったら、日記ネタを考えた方がましである。 ということで、そのことはそこで終わりになった。
ところがある時、ハンドルネームは、何も『しろげしんた』だけがおかしいのではないというのに気がついた。 他にも、もっとおかしなハンドルネームがあるものである。 さっそく、このハンドルネームが誕生した。 『皆岡伸太』 ある人に対する回答である。
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