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2004年10月25日(月) 対岸の火事ではない

新潟県中越地震が起きてから、テレビでは連日、そのニュースを流している。
仕事の合間に、ぼくもそれを見ているのだが、その惨状を見るたびに「ひどいなあ」「大変だなあ」と思っている。
とはいえ、新潟は地理的にも遠く、また知り合いがいないこともあり、何か他の国のニュースを見ている感があるのは否めない。
先日そのニュースを見ていたお客さんも、「北九州は地震もないし、台風の被害も少ないし、ほんといいところやねえ」と言っていた。

ところがである。
今回の地震、対岸の火事ではなかったのだ。
朝会社に行くと、日用品の担当の人が「収納ケースが当分入ってこん」と嘆いていた。
「どうしたんですか?」とぼくが尋ねると、「うちで売っているケースは全部新潟で作っとるんよ」と言う。
「地震のあったところですか?」
「それはわからんけどね。被害に遭ってないにしろ、道路が壊滅状態らしいけねえ」
「ああ、そうか」

それを聞いて、ぼくも自分の部門の取扱商品を調べてみた。
幸い、メーカーから仕入れている商品に関しては大丈夫だった。
だが、卸屋から仕入れている特価商材の中に、新潟近辺の工場で作った商品がいくつかあった。
まあ、それらの商品に関してはメンテの必要がないし、もし何かあっても代替えが効く。

そういうことで、ぼくの部門に関してはひと安心だった。
ところが、そうではなかった。
意外なところで、それがわかった。
7月から続く台風の影響で、アンテナが飛ぶように売れ、先月、とうとう在庫が底をついた。
そこで、先月からアンテナの注文をしているだが、なかなか入ってこない。
問い合わせてみると、台風の影響で生産が追いつかないらしく、入ってくるのは今月末になりそうだ、ということだった。

今日のことだった。
お客さんから「アンテナはないんですか?」と尋ねられた。
メーカーから効いた旨をお客さんに言うと、お客さんは「ああ、そうですか。今月末ですか。それは困ったなあ。何日ぐらいに入るか調べてもらえませんか。ちょっと急ぐもんで」と言う。
そこで、担当の営業者に電話をかけてみた。

「もしもし、しんたですけど」
「あ、しんたさん、お久しぶりです」
「アンテナの件やけど、だいたいいつ頃入ってきそう?」
「それがわからなくなったんですよ」
「今月末には入ってくると聞いたんやけどね」
「ええ、当初は今週入ってくるようになっていたんですけど、それがだめになったんですよ」
「え?」
「地震ですよ、新潟の」
「そちらは新潟に工場があったかねえ?」
「いや、工場はないんですけど…」
「じゃあ、影響ないやん」
「それが違うんですよ。今回こちらに入ってくるはずの商品を、全部あちらに持って行くらしいんですよ」
「ええっ!?じゃあ、こちらには入ってこんと?」
「はい、そうなんです」
「じゃあ、こちらにはいつ入ってくると?」
「それが未定で…。年内には無理かもしれません」
「あらら」

お客さんにそのことを伝えると、「ああ、そうですか。それはしかたないですねえ。しかし困ったなあ…」と言いながら渋々引き上げていった。

この状況、アンテナだけではあるまい。
他の商品についても、同じことが言えるだろう。
これから寒くなるから、暖房器具などはその最右翼になるに違いない。
しかも、それはぼくの住む地域に限ったことではない。
おそらく、日本全国に影響を及ぼしていることだろう。

しかし、一地域の地震が、国全体に影響を及ぼすとは。
考えてみると、日本という国は身体のようなのものだ。
例えば足の小指をちょっと痛いだけでも、体の至る所に影響が出るが、それと同じようなものだ。
今回の地震で、それを痛感した次第である。


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