頑張る40代!plus

2004年04月24日(土) 夫婦の何気ない会話

「ねえ、この家、何かおるような気がせん?」
「おる? 何がおるんか? ネズミか? イタチか? ヘビか?」
「いや、そんなんじゃなくて…」
「そんなんじゃない? じゃあ、何か?」
「うん、幽霊とか…」
「幽霊? 何でこんなところにおるんか。ここはマンションの6階ぞ」
「そうよねえ。6階に幽霊なんかおらんよねえ」
「おう。幽霊っちゃ、地縛霊がほとんどなんやろ。6階は元々空間やないか。そこで人が死んだなんて考えにくい」
「そうよねえ」

「でも、何でそう思うんか?」
「いや、時々、寝ている時に、何かが窓から出て行くような気配があるんよねえ…」
「寝ている時っちゃ、何時頃か?」
「夜中やけど…。3時頃かねえ…」
「夜中の3時か」
「うん」
「それはおれやの」
「えっ?」
「それはおれっちゃ」
「はっ?」
「いつも、その時間になったら幽体離脱しよるけのう」
「幽体離脱したら、窓から出ると?」
「おう。体から抜け出した後に、窓から出ることあるのう」
「どこに行くと?」
「どこに行くかは決まってない。いつも意思とは違う方向に飛んで行くけ。この間行った所は、どこかの墓地やった」
「気味悪いねえ」
「墓地がか?」
「いや、幽体離脱とか」
「そんなことはない。誰でも知らんうちに幽体離脱しよると言うし」
「そういえば、そう聞くねえ」

「この間、寝とる時に、何かがおれの上をまたいで行ったけど、あれはきっとお前やろう」
「そうなん?」
「おう、間違いない」
「でも、そんな記憶ないけど」
「そんなもんなんよ。幽体離脱を自覚する人もおれば、せん人もおる、と言うことたい」
「そういうことか。でも、心配して損した。あれはしんちゃんやったんか」
「そういうこと」


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