頑張る40代!plus

2003年12月08日(月) 髪を洗う(後編)

その頃から、「朝シャン」という言葉が流行りだした。
その言葉に乗ったわけではないが、ぼくは朝と夜、毎日二度頭を洗うようになった。
理由は痒みではない。
臭みである。
何となく頭が臭いような気がするのだ。
今考えると、夜洗った頭が朝臭くなるわけがないのだから、その当時ちょっとした神経症に陥っていたのかもしれない。
とにかくそれから何年間か、その状態が続いた。

ところがそのせいで、余計な副産物を生む結果となった。
副産物、それは白髪である。
ぼくは元々髪質が堅いためか、社会に出た頃から若干の白髪があった。
しかし、そう目立つほどもなかった。
その数が急に増えたのは、朝シャン時代だった。
当時は、「毎日頭を清潔にしているのに、何で白髪が増えるのだろう? もしかしたら、まだまだ洗い方が足らんのかもしれん」と思いせっせとシャンプーを繰り返していた。
シャンプーが髪の健康に悪いと知ったのは、30代後半である。
自分勝手な思い込みが、白髪進度を加速させていったと言えるだろう。
その結果、20代後半でブラックジャック状態になり、若い子から「白髪じじい」などとあだ名されるようになってしまった。

髪の健康について考えるようになったのは、30代後半からだった。
ある人から、「頭は石鹸で洗った方がいいよ」と言われたことによる。
その人はぼくより年上だったが、髪が黒々として、しかもツヤがあった。
その当時のぼくはと言えば、すでに黒髪よりも白髪のほうが多くなっており、枝毛も多く、ツヤもなく、健康とはほど遠い髪の状態だった。
そこで、その人から言われたとおり、石鹸で頭を洗ってみた。
ところが、石鹸で洗うと髪がギシギシし、指が通らない。
「これは石鹸のせいか」と思い、石鹸について勉強することとなった。
いろいろ文献を読みあさったあげく、行き着いたのが『シャボン玉石けん』だった。

それ以降、ずっと『シャボン玉石けん』を使っている。
おかげで、白髪は相変わらずだが、髪にはツヤが戻り、枝毛もなくなった。
しかし、石鹸で頭を洗うと、問題がなくはない。
それは、「石鹸カス」である。
頭を洗った後、しばらくして頭を触ると、白いカスが落ちてくる。
最初はフケかと思っていたが、ものの本を読むと、どうやらそれは「石鹸カス」だということがわかった。
それを防ぐには二度洗いしないとならない、と書いていた。
物臭なぼくにとって、二度洗いは面倒である。
しかし、客商売をやっているため、フケが落ちて不潔だというイメージをお客に与えるわけにはいかない。
そこで渋々二度洗いを決行している。
ということで、中学の頃まったく洗わなかった髪は、3日に一度、2日に一度、1日二度という時代を得て、今は2日に一度(しかも二度洗い)時代である。


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