何となく気の抜けた試合だった。 今日は休みだったので、最初からダイエーVSオリックスを見ていたのだが、5回に3対3となってから、ぜんぜん試合が動かなかった。 投手戦ならそれなりに緊張感もあっただろう。 しかし、そうではなかった。 ダイエーは拙攻のオンパレード。 再三の得点チャンスに、打てないのだ。 満塁の場面が何回あったかは忘れたが、そのたびに凡退である。 一方のオリックスは打てない。 いや、打つには打っていたが、どう見ても点の入るような攻撃ではない。
あまりに退屈なので、途中何度も居眠りしていた。 しかし、目が覚めても試合は終わってない。 退屈な試合を繰り返している。
とうとう決着の着かないまま、延長戦へ突入した。 しかし、ダイエーはあいかわらず拙攻の山。 10回から12回まで、すべて得点圏にランナーを進めたのに、あと一本が出ない。 オリックスはあいかわらず点を入れるような攻撃をしてこない。
決着が着いたのは、12回裏のことだった。 YAWARAの婿の一発。 笑顔の似合わない婿が、精一杯の笑顔を振りまいていた。
今日の試合は、引き分けでもマジックが1になる試合だった。 とはいえ、どうしても負けてはならない、という試合でもなかった。 なぜなら、今日負けることによって、福岡ドーム胴上げの確率が高くなるのだから。 そういう意味で、ぼくも今日の負けは別に悔しくなかった。 勝ちがなくなった時点で、婿に「一発決めてくれ」と声援を送ったくらいだ。
が、問題は残った。 それは拙攻である。 ここにきて、こんな拙攻をしてどうなるんだ。 しかも、最下位確定のオリックス相手に。 これも優勝へのプレッシャーかとも思った。 「しかし、ダイエーの選手が、こんな拙攻ばかり繰り返していたら、プレッシャーのかかっていない西武に優勝を持って行かれるのではないか。 また、短期決戦である日本シリーズで、もしこんなプレッシャーがかかったらどうするんだろう」 などと余計な心配までしてしまった。
昔、西鉄が巨人に3連敗した後に4連勝して、優勝したことがあった。 これを当時の人は『奇跡』と呼んだ。 しかし今になって思えば、あれはしばらく日本一から遠ざかっていた巨人に、優勝へのプレッシャーがかかっていたからではないだろうか。 それを試合巧者の西鉄三原監督がうまく利用して、流れを持ってきたのかもしれない。 相手に逆転優勝されるほど、プレッシャーというのは重くのしかかるものである。
ところが、画面に映るダイエーベンチの表情を見ていると、どうもそうではないようにも見える。 選手は、凡退しても、悔しがりはするものの、落ち込んだ様子は見えないし、王監督は、満塁のチャンスを潰した時にも、笑みを浮かべている。 これを見て「もしかして計算ずく?」と思ったのは、ぼくだけではないだろう。
とにもかくにも、マジック2、あと2勝すれば優勝である。 ここまできたら、明日は勝って、なおかつ西武にも勝ってもらって、マジック1で福岡に帰ってきてもらいたい。 その上で、明後日、晴れて福岡ドームで、勝って胴上げしてほしいものである。
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