2002年06月26日(水) |
しろげしんたが選ぶ、決定日本の歌ベスト20 後編 じゃないよ |
第5位 『君を乗せて』沢田研二 ジュリーのソロでのデビューの曲である。 ぼくはタイガース時代を含めたジュリーの歌の中で、この歌が一番好きだ。 ほかの歌と比べると、単調な歌なのだが、これが実に歌いにくい。 サビの部分の「ああーああ~♪」にこの歌の良さが凝縮されている。 ここを間違えると、この歌は死んでしまう。 ぼくのカラオケの定番でもある。 以前、友人の結婚式で、この歌をギターを持って弾き語りをしたことがある。 ただ、ギター一本だと、間奏の部分でどうしても白けてしまう。 そこで、間奏にハーモニカを入れたのだが、これが誤算であった。 ぶっつけ本番のアドリブでやったのだが、何か「メリーさんの羊」みたいになってしまった。 弾き語りというのは、本当に難しいものである。
同5位 『雨の中の二人』橋幸夫 雨の情景をここまで歌い上げた歌を、ぼくは知らない。 歌を聴くだけで、雨の日の情景が思い浮かぶ。 それに、橋さんの低く間延びした声が実にいい。 雨の日に甲高い声は似合わないものである。 ところで、この歌の出だしは、「雨が小粒の真珠なら 恋はピンクのバラの花~♪」である。 これをどう解釈したらいいのだろう? 性格が曲がっているぼくは、すぐに変なふうに思ってしまう。 しかし、歌詞がこれほど意味深なら、ぼくじゃなくても第5位に入れるはずである。
第4位 『時代』中島みゆき 浪人時代に、ラジオから流れてきたこの歌に、深い感銘を受けた。 おそらくギターを弾いて作った曲だろうが、普通ギターで曲を作ると、変にコード進行どおりの歌が出来上がるものである。 そんな歌は、一番を聴いただけで「ありがとうございました。もういいです」となる。 しかし、この歌は聴かせるものがある。 歌い手の力量というものだろう。 後にこの歌を薬師丸ひろ子が歌っていたが、それこそ一番を聴いただけで、「ありがとうございました。もういいです」となった。 世に歌姫という言葉があるが、この人こそ歌姫であろう。
同4位 中島みゆきの「ファイト」という声が、実に弱々しいのが気にかかる歌である。 この歌に後の『空と君のあいだ』にある迫力は見出せない。 しかし、この弱々しい「ファイト」というリフレインに、中島みゆきの凄さを感じる。 こういう語り口調の歌も、最近は聴けなくなった。
第3位 『悲しくてやりきれない』フォーク・クルセダーズ 予備校に通っていた頃、休み時間になると、ぼくは友人とこの歌をハモっていた。 そのハモリが気に入っていたから歌っていたのか、その時代の境遇をはかなんで歌っていたのかは、はっきりしない。 ただ気がついたら、いつもこの歌を口ずさんでいたのだ。 小学生の頃に聴いたっきりだったのだが、なぜか心に残っていた。 この歌は、あの『イムジン河』の代わりに出された歌だというが、もし仮にあの時『イムジン河』が予定通り出されていたとしたら、この名曲は日の目を見たのだろうか? また、そうだったとしたら、『イムジン河』はぼくの心に残っていただろうか。 当時ぼくは、この『イムジン河』をフォークルが歌っていたのをテレビで見たことがある。 しかし、小学5年生には難しすぎた。
第2位 『曼珠沙華』山口百恵 この歌に漂う不思議さはいったい何だろう? 山口百恵には、ほかにいい歌がたくさんある。 しかし、ぼくがあえてこの歌を選んだ理由が、この「不思議さ」である。 その不思議さの根源が、歌い手にあるのか、歌詞にあるのか、曲にあるのか、それとも三位一体のなせる業なのか、ぼくには今もってわからない。 静から動へ、動から静へ、こういう展開の歌というのは、どこにでも転がっている。 しかし、これほど自然にそれをやっている歌を、ぼくは知らない。 そういう展開をとりながらも、この歌には、静の中の動、動の中の静、という一面も持ち合わせている。 これぞ、まさに日本文化だ、と唸らせる名曲である。 この歌こそが事実上、ぼくの中の「ベスト1」である。 が、上には上がある。 この歌をしのぐ歌をぼくは見つけ出した。
さて、また時間がなくなってきた。 何度も何度も、お付き合いさせてすみません。 明日こそ、本当の「後編」にしますので、もう一日お付き合い下さいませ。
|