毎日、毎日、毎日、クリスマスソングが鳴っている。 いささかうんざり状態である。 「他人の誕生日を賛美して、何がいったい楽しいんだろうか」と、つい愚痴をこぼしてみたくもなる。
しかし、世の中どうしてこうクリスマスソングだらけなのか。 欧米ならクリスマスといえば国民行事ということになるのだから、「みなさん、そろそろクリスマスですよ。準備は出来てますか?」という意味での、宗教的な盛り上げ効果になるのだろうが、日本の場合は少し勝手が違っている。 日本のクリスマスというのは、「クリスマス商戦」という言葉が示すとおり、すべてが商売に結びついていると言っても過言ではない。 そのためクリスマスソングにしても、売らんがための安易な歌が多い。 なぜクリスマスは恋人と過ごしたり、ふられたりしなければならないのか? クリスマスは一人静かにマンガを読んでいてもいいじゃないか! ゆっくり風呂につかっててもいいじゃないか! 結局は、マンガを読んだり風呂につかったりする歌は売れないから、すぐに色恋に走ってしまう。 つまり売れ筋分析を充分にやっているということだ。 そしていつしか「クリスマスソングを作って一発当てよう」プロジェクトみたいなのが出来、いかにも「らしい」言葉を使い、曲をパクり、安易なクリスマス商戦の歌が世に送り出される。 しょせんクリスマス商戦のための商品に過ぎない。 到底、達郎は超えられないだろう。
さて、J−POPのクリスマスソングは腐るほどあるが、日本人の手によって作られた童謡や唱歌のクリスマスソングというのは聞いたことがない。 クリスマスの定番である「ジングルベル」や「きよしこの夜」などは、どれも輸入品である。 逆に日本の伝統行事である正月は、童謡唱歌では歌われているが、J−POPの歌が見当たらない。 「ひとりぼっちの初詣」とか、「あなたのキスがお年玉」とか、「一枚の年賀状」とか、「三ヶ日は休ませて」などという歌があってもよさそうなものである。 なぜ、J−POPは正月を無視するのかなあ? たしか、お盆の歌は演歌にあったような気がする。 「盆と正月が・・・」という言葉もあるくらいだから、対等に扱わないとバチがあたるだろう。
そういえば、同じ国民行事なのに、童謡唱歌やJ−POPから完全に無視されているものもある。 お彼岸である。 彼岸花をあつかった歌はあるが、これはお彼岸とは関係がない。 もしお彼岸の歌があったとしたら、 「こんにちは。お彼岸の中日、どうお過ごしでしょうか? 今日はお彼岸の歌特集でお楽しみ下さい。 まず最初の曲は『雨のお墓で』、2曲目は『先祖に告げた恋』。 2曲続けてお送りします」 と、こんな特集をやるラジオ番組もあるだろう。
成人の日も、桃の節句も、端午の節句も、J−POPは完全に無視している。 欧米人のお祝いを賛美する歌ばかり作らないで、少しは日本の行事にも目を向けたらどうだ?
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