最近、白土三平にハマっている。 ずいぶん前に買った本を読み返しているのだが、いつ読んでも新鮮である。 決して画は見やすいとは言わない。 「ゴルゴ13」や「ルパン3世」などの劇画を読んだ人ならわかると思うが、ああいう一連の手法なのである。 画に影を多用しているために全体に暗く、人物もわりと雑に書いている。さらに登場人物が多すぎて、どういう人間関係だったのか、敵だったのか味方だったのか、前に遡らないとわからないところが多々ある。 「カムイ伝」などはその代表であろう。 ぼくのような少年マンガ(極端に登場人物が少ない)を読みなれた人間には、読みづらい作品である。 とはいえ、そういう中にも読みやすいものもある。 例えば「サスケ」は子供向けのマンガだったせいか、かなり読みやすい。 というより、変に子供受けするように書いている。「絵本でもあるまいし」と思わせるところが、ところどころに見受けられる。
「そんなに不満があるなら、読まんかったらいいのに」と思う人もいるだろうが、白土さんの作品はそんな細かい不満を吹き飛ばしてしまうほどの魅力をぼくは感じている。 それはおそらく、ぼくが持っている忍者・忍術への憧れだろう。 幼い頃から小学生の頃まで、足が速い人というのはぼくたちの間ではヒーローだった。 忍者はその象徴だろう。 ちょうど忍者ブームというのも重なって、ぼくにとって忍者というのは永遠のヒーローになった。 「隠密剣士」「忍者部隊月光」「伊賀の影丸」「風のフジ丸(原作は白土三平)」等、みんなこの時代に流行ったものである。
幼い頃の郷愁か、永遠の憧れか、白土作品はそういうものを呼び覚ましてくれる。 当分このマイブームは続くことだろう。
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