マスコミはイチローで盛り上がっている。 どのチャンネルをかけてもイチローの13試合連続ヒットの話題ばかりだ。 日本で盛り上がるのは当然のことだが、果たして現地のアメリカではニュースで 言っているほど盛り上がっているのだろうか? ぼくがなぜそのことに疑いを持つか、それには理由がある。 今から29年前ミュンヘンオリンピックでの話だ。 その当時は男子体操やバレーボールなどが強く、メダルの獲得数も今よりずっと 多かった。 レポーターもいささか興奮ぎみに現地情報を伝えていた。 「西ドイツは日本びいきのお国柄。ここミュンヘンでも日本選手の活躍に『ハポン(日本)もなかなかやるじゃない か』といった声が街のあちらこちらできかれます」とのたまっていた。 当時はぼくも若かったから、その言葉を聞いてドイツに親近感をもったものだったが、後年あれは簡単な情報操作じゃなかったのか? と思うに至った。 「あちらこちら」というのは「いたる所で」という意味だが、そのレポーターはどこに行っても「ハポンもなかなかやるじゃないか」と聞いたのだろうか? トイレに行ってもドイツ人たちは「ハポンもなかなかやるじゃないか」と言っていたのだろうか? そんなわけないやんか! そこにはおそらくこんなやり取りがあったのだろう。 そのレポーターは街を歩いていた人に声をかけて「オリンピック、地元西ドイツは頑張ってますね。それに比べてハポンはまだメダルが○個しか取れなくて・・・」とこぼした。 ろくにハポンを知らないその人は「ほう、ハポンという国は○個もメダルを取ったのか。なかなかやるじゃないか」と言った。 ただそれだけのやり取りを、ああいうふうに伝えたのだろう。 あちらこちらも二、三人位じゃないのか? さらに日本びいきに至っては、第二次世界大戦の同盟国だった、という日本人の勝手な思い込みに過ぎない。 ヒトラーは日本人を見下していた。
まあ、こんな理由で海外の現地レポは信じられないのだが、今はあの時代よりはましだろう。 イチローにも頑張ってもらいたい。
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