ここ2,3年、この季節になるとよくラジオでかかる歌がある。 矢野顕子の「春咲小紅」である。 もはや春の定番となったようだ。 ぼくが学生の頃、春の定番といえば、シャドウズの「春がいっぱい」だった。 FM,AM問わずよくかかっていた。 でも、最近ラジオでこの曲を聴くことはなく、代わってDJの「春といえばこの曲ですね」の声と同時に矢野顕子が登場するのだ。
この歌が流行ったのは1981年、ぼくが長い浪人生活を終え就職した頃だった。 この曲にはちょっとしたエピソードがある。 その年の春、神戸博覧会があったのだが、「春咲小紅」は実は神戸博のコマーシャルじゃないのか? という噂が流れた。 確かに、“ほーら春咲小紅、ミニミニ見に来てね”は本当は“ほーら春先神戸に、見に見に見に来てね”と聞こえる。 結局真意はわからなかったが、レコードも売れ、神戸博の入場者もまずまずだったらしい。
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