夫のリクエストで、初めて牛すじを入れたおでんをつくった。
私の母はおでんに骨付きの鶏肉をいつも入れていたので、私も鶏肉は入れるけれど、
牛すじってこってりしすぎる気がして、なんとなく敬遠していたのだ。
そもそも、牛すじを料理すること自体が初めて。
4、5時間煮込んだところでようやく食べられそうな感じにとろとろしてきた。
水を替えたり洗ったり灰汁をとったりで結構な作業になった。

もともと、私は「おでん」という料理にほとんど興味がない。
自分ひとりだったら絶対につくらないと思う。
たまに夫が食べたがるし、子供たちにも食べさせやすいのでつくるけれど、
「おでん」というネーミングもなんとなく嫌。
そういえば、カレーも時々作るけれど、まったく好きではない。
焼きそばや、たまにつくるチャーシュウ、豚の角煮も、牛丼や親子丼などのどんぶり物も、クリームシチューもぜんぜん好きじゃない。

私がひとりだったとしても食べたくて作るものってなんだろう？
パスタはつくるかもしれない。
オリーブオイルとにんにくにじっくり弱火で火を入れて、少し冷ましておいて、それに生の明太子を入れて混ぜる。
パスタのゆで汁を加えてとろっとさせ、そこにゆでたて熱々のパスタを和えるシンプルなパスタ。
あさつきと柚子の皮でもあれば言うことなし。

あとは、朝ごはん。
炊きたてのご飯と、お味噌汁、しっとりとつくったたまごのそぼろ、ほうれん草の胡麻和え、しらすかちりめんじゃこと大根おろし、
たまに鯵の干物とか焼き鮭をつけてもいい。
ぱりぱりの焼き海苔とおしょうゆ。
明太子や、旬のときにはいくらのしょうゆ漬けを自作して添えたりすると最高。
トーストとコーヒーの朝ごはんも好き。まずバターをやわらかくするために出しておく。サラダを作り、果物を剥く。
オレンジか、グレープフルーツ。今の季節ならいちごもいい。
ちょっと厚めのハムを焼いて、となりにきれいな目玉焼きをつくり、その間にトーストを焼いて、コーヒーをセットする。

お昼はいい加減なものを食べているし、夜はたいてい家族の好きなもの、食べやすいもの、バランスなどを考えて、
自分が好きかどうかは二の次になっているけれど、朝ごはんは私の好きなものを食べる。
ごくシンプルかつオーソドックスだけどね。

そんなことを考えながら午後の時間を、おでんをことこと煮て過ごした。
夕方は菜子をバレエに連れて行き、待ち時間にママ友たちとお茶。
春みたいに暖かかった、そんな一日。

みゆき ｜MAIL

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