みゆきの日記
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「みゆちゃんは、毎日菜子ちゃんの世話で疲れてるんだから、 たまにはエステでも行ってきたら?」
と、トモユキが言ってくれたので、早速行ってきた。 エステなんかに行くのはすごく久しぶりだ。 出産後、なんだか肌がくすんだように感じていたので迷わずフェイシャルにした。
気持ちいい〜!
ダイアモンドっていうコースを選んでみる。 顔の半分をバキュームしてもらうと、肌の色がぜんぜん違ってみえる。 マッサージの途中で気持ちよくて眠ってしまった。 終わったあとは、肌はピカピカで触るとしっとりやわらかくなって、 本当にいい気持ち。
なんだか華やいだ気分でちょっとカルティエなんかをのぞいていると、、、。
リリリリリーン。トモユキから電話がかかってきた。
「もしもし」
「あっみゆちゃん、何やってんの。まだ終わんないの?」
「今終わったの。ねえねえ、今カルティエでさぁ・・」
「ちょっとそんなとこで道草してないで早く帰ってきてよ。 菜子ちゃんおなかすいて大変なんだよ。」
ちゃんと菜子の離乳食用意して出たのになぁ。
「ご飯食べないの?」
「食べない、食べない。ミルクも飲まないしさー。 もう、おっぱいじゃなきゃ絶対ダメ。 早く帰ってきてー。」
「はい、はい。」
菜子の泣き声はエレベーターの中まで聞こえた。 家の中はめちゃめちゃに散らかっていて、トモユキの奮闘ぶりがうかがえる。 菜子のおもちゃやら、乳母車やら揺り椅子やらいろいろ出してあって、 全部ダメだったのかぁ。。 食卓にはほとんど食べていない菜子の離乳食と食べこぼしの後が散乱している。 トモユキは菜子を抱いてずっと歩き回っていたらしい。
あーあ。。
一気に現実に引き戻されるなぁ。 授乳しやすい服に着替えて菜子にお乳を含ませると、菜子はあっという間に眠った。
「トモちゃん、お疲れさま。」
「うん、もう疲れたよー。ねえゲームしていい?」
「いいよ。」
「エステどうだった?気持ちよかった?」
「うん!すごーく気持ちよかったよー。肌もツルツルになったよー。ほら。」 ほんとだ、といってトモユキはニコニコした。
独身時代なら、エステに行って優雅な気分になったら、 その後はお買い物したり外で食事したり、ずっと優雅な気分でいられたけど、 妻であり母である今は、そんな余裕がない。 久しぶりに一人で外出したから本当はもうちょっとゆっくりしたかったなぁ。 カルティエのきれいなピアス、もうちょっと見たかったナ。
でも、ととりあえずキッチンを片付けながら私は思った。 エステに行ってお買い物して華やかなのもいいけど、 こんなに私を必要としてくれる家族が家で待っているほうがいい。 トモユキと菜子。 私の大切な大切な宝物。
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