行人徒然

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おとう
2004年07月10日(土)


 このところ、暖かい毎日が続いている。ハタして夏に暖かいというのもどうよという気がするのだが、30度前後なら「暖かい」毎日だ。
 夏の温かさは気持ちいい。額に汗がにじんで、こめかみに流れて、温い風と湿る大気を肺に入れて空を仰ぐ。
 こんなとき。何故かいつもリュウを思い出す。
 最初から破綻する事を約束されていたリュウとケンの事。
 どこにも行くあても、進む未来も、帰る家もないリュウの事。

 夏の暑い日。
 山の中で。
 見つけたあの風景。
 あの笑顔。
 伸ばした腕も。
 誓う未来も。

 もう、どこにもないよ。リュウ。
 それなのに、あなたはどこへ行くんだろう。
 毎日毎日をすり減らし、見つからぬ相手を求めて、見えぬ未来を探して。

 夏だけ復活するかな。
 やっぱりさ。平穏な場所は居付けない。
 いつも、何かを探して、何かを求めて。
 戦っているほうがいいよ。
 もがいているほうがいいよ。

あたしも、もがいてるよ。




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