8月に買った水着をようやく使う日がやってきました。基本的に水が好きです。水の中にいると癒される。水が体を包んでいると幸せになる。 水はすくってもこぼれてなくなっていってしまう。砂よりも早く、時間よりもゆっくりと。まるで人の心のように、いつも汲み取ってないと手の中から失われてしまう。 最初は冷たくて、なのに、中にいると気にならなくなる。そこから出られなくなる。水から出ると体が重くて、すぐにあの中に帰りたくなる。 顔をつけて水を掻くと苦しくなる。顔を上げて息を吸う。足りない酸素が胸の中で跳ね返って、呼吸が届かなくなる。 久しぶりの水の感触。 50メートル泳いでみた。 なんだか。 あんなに遠かった25メートルはすごく小さくて、水の中では遠かった。 いつものことだ。 またあの場所に帰るだけだ。
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