自分的にショックを受けた昨日から、一晩が経った。少しだけ自分が落ち着いてきているのがわかる。 自分にとってショックが強すぎたのか、関係する一切の報道を見ることができない。 再び夜が来ました。 ほんの2時間とたたないときは、名倉君とカラオケで歌っていたんだね。 きみと一緒に馬鹿な話をしている時間や、歌を歌っている時間は、そのときだけは、この事件のことを考えなくてすむ。ずっと一緒にいてくれたら、きっと楽なのに。君はきっと嫌がるだろうけど。 こんな時間が何時までも続くと思っているけど、 どんな外的圧力でそれが消えうせるかわからない。 ・・・・・・。 「俺達に明日があると思っていませんから」 別館で言わせたセリフが、ずしりと響いた。 相変わらず、積極的に報道を見ることが出来ません。小耳に挟んだところでは、アメリカは軍事的応酬に出るかも知れない(=戦争を仕掛けるってこと?)とか、仲が悪いはずの中国が全面協力を申し出たとか、20名まで容疑者をしっぼったとか(50名の間違いか?)、いろいろ。聞こえてくる。 とりあえず幻はまだ見えることがあるし、窓の外を見る時間はまだ長い。でも、思うところあって少しだけだけど、自分で集めていた過去のテロなどの資料に目を通しているうちに、一つの思いに行き着いた。 犯人は、こうして怯えるあたし達を見て喜んでいるはずだ。 とか。 犯人に対して、軍事力を持って断固として抵抗するってことは、見方は少し違うかもしれないけど、テロ側も、こちら側も、同じ事をしようとしているんじゃないかな? とか。 ふと気付いた。 彼らは実に的確な場所へ飛行機を落とした。 世界中を震撼させるのに、これ以上ない場所とタイミング、そして演出。 奴らは、あたしが言うまでもなく頭がいい。 でも、あいつらは方法が間違っていると思う。 そして、こんなふうに驚き、怯えるあたし達を見て笑っているはずだ。 思うとおりになんかなってやるものか。 お前達の起こした行動は、たくさんの尊い命を奪ったけれど、 我々の基本理念やお前達への態度を だからと言って改めたりするわけではないのだ。 たくさんの悲しみを胸に抱いたけど、 お前達に屈するわけではないのだ。 垂れた頭を上げて、あたしは前をみなければいけない。 萎えた心を奮い立たせて、あたしは歩かなきゃいけない。 失われた人達の冥福を 与えられた内外の傷の治癒を これ以上誰も失われないように 進むべき平和への歩みをとめないことを 心から祈りつつ
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