行人徒然

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知識と想像力に裏付された遊び方
2001年04月18日(水)

 なんてことはない。想像力90%くらいの遊びなのだ。同じ場所を違うアングルから撮っている写真数枚があればそれでいい。枚数はあればあるほどいい。
 そしたら、それらをじっくり眺めてみる。建物だったら、内部の写真もあっていい。しばらく眺めていると、写真に写っていない場所もわかるようになる。そうなるとしめたもので、その建物の周りを歩いた時にどう映って見えるかも判ってくるし、部屋の中から庭先を見た感じも見えてくる。
 各務はこの遊びが大好きで、国の内外を問わずこういったお気に入りの場所を持っている。実際にこうやって遊んだ場所へ出かけてみると、自分の想像がわりと正しい時もあれば、間違いだらけの時もある。でも、そんな事どうでもいいのだ。
 知識は想像力を裏付けてくれる。絵では駄目だ。写真でないと、よく見えない。
 こうやって遊んで見て来た景色は、だんだんたまって話の中に練りこまれていく。少し前までは桂離宮がお気に入りで、その広縁に腰掛けて庭の池を眺めていた事が多かった。ちなみに、ここは武神の家のモデルになった場所。広縁のすぐ後ろは、深海の部屋がある。実際は何もない広間だが、深海の部屋となると・・・・と、余計なところにも想像が広がって、いきなり自分の後ろを羅璃が歩いていったりする。
 広縁を通って折り曲がり廊下を抜けると玄関や台所があるし、反対に歩いて畳廊下の向こうは「離れ」になっていて、隆と拳が何か笑いながら話している。畳廊下の側には家道場があって紫織がダンスをしているし、そこから飛び石でつながった先の外道場では凱が子供相手に空手を教えている。
 実際の桂離宮は家道場のあたりに能舞台があるし、外道場のあたりは確か枯山水があったような気がするのだが、そのどちらも一度に楽しめる。
 桂離宮の前は上杉廟を散歩していた事もあったけど、割と海外の遺跡も同じ要領で歩けてしまう。ただ、どうしても空気や風が創造に頼らざるを得ないし、人の声もあまり聞こえない。その辺が行った事の無い場所なんだと強く認識させられる。
 でも、こういう遊びを知ってると割と楽しいのだ。



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