昔、早く大きくなりたいと思っていた。 幼稚園に上がったとき「お姉さん」の仲間入りをしたと思って、誇らしかった。 小学校にあがったら自分は「お姉さん」だと思った。 中学校になったとき、早く大人になりたいと思った。 高校生になったら、自分は無能だと思い知らされた。 今も、自分は無能だと思っている。 あのころに見た、自分よりも年上の人たち。 何でもできるように見えた彼らと同じ年になっても、何もできない無能な自分がいる。 最高を極めたと思ってもさらにその上に更なる高みが現れ、 そこへ追いついても、さらに上がある。 絶対に完璧を極めることなどできやしない。 結局、いつまでたっても出来損ないのような、未熟で不出来な自分を毎日新たに 見つけ出すだけなのだ。
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