行人徒然

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清潔ブーム
2000年10月15日(日)

 今日もどこにも行かなかったので、一日中すっぴん。そんな日は夜洗顔しない習慣なので、朝お湯で顔を洗っただけでした。
 しかし友人に言わせると、
「夜洗顔しないということは、顔に雑巾かけて眠っているようなもの」
だそうで・・・
 選択して脱水語直、よく天火で乾かした雑巾なら、そんなに雑菌が繁殖の繁殖はなさそうですが、この場合、床掃除か何かをしてゆすいだだけのぬれた雑巾をさすんだろうな・・・
 世の中清潔ブームで、各務は息が詰まります。
 人間はヒト科の生物である以上、かつて野生であったことは間違いなく、その証拠があちこちに残っている。
 例えば体毛だってそうだし、体臭もその名残。それに「常に空腹である」ということを前提に体脂肪を貯蓄するように定められた体内構造がそれをよくあらわしている。
 野生であるという言い方が駄目なら、常にお腹いっぱいの状態にないような生活とでも言えばいいのだろうか。
 別にさげすんだ言い方をしているわけではないが、その生活スタイルはアフリカの原住民の生活風景が最も近いといえば納得してもらえるだろうか。もちろん最近の貨幣制度に組み込まれることのない、今では絶滅寸前の「純粋な」原住民でなければいけない。もちろんそういう意味なら、かつてのアメリカインディアンでもいい。
 そういう生活の中で日本に沸き起こる「清潔ブーム」が唱えられたらどんな顔をされるかは想像に易い。もっとも、この「清潔ブーム」は日本人(特に若者層)が必要以上に生活のゆとりを持ってしまったところから生まれたことであるし、両親が子供を必要以上に甘やかしたりしたことも原因の一端を担っているだろう。
 そんなに清潔にして、自分の体を壊すつもり?
 人間の身体がやせ衣生活を基本として成り立っている以上、ある程度の「不潔さ」は欠かせないものだ。それを「不潔だから」という思い込みで一掃したら、生命体としてのバランスが崩れてしまう。そういうことに気付いている人はどれくらいいるのだろう。
 例えば毎日の風呂。
 頭皮のことを考えれば、冬は2〜3日に一回、夏場は2日に一回くらいの洗髪が望ましい。それ以上の頻度で洗髪を行うと、必要とされる頭皮の油が流されてしまい、毛髪にダメージを与えてしまう。また、どんなに気をつけていてもシャンプーやリンスに使用されている界面活性剤が頭皮に染み込み、最終的には脳に達し、脳細胞にダメージを与えてしまうことを、どれだけの人が知っているのだろう。
 最近脳の手術をすると、脳膜に必ず茶色、または黒いタール上のべたべたした液体がついていて、それを分析したところシャンプーやリンスのなれの果てだった。もちろんいい影響はない。
 こういう事実を知っている脳外科医の先生達は、めったにシャンプーなどを使わないそうだ。大体頭髪や頭皮の汚れなど、水で流せば80〜90%は落ちるのだから、そんなに一生懸命洗う必要はない。10%くらい残しておいたほうが頭皮には返っていいそうだ。
 もちろん肌だって、毎日洗えば必要な皮脂が流されてつっぱる。最近の石鹸は垢だけでなく皮脂を落とす力も強いから、冬場はかさかさ痒くなる。
 最近急速に普及してきたビデ。
 この前新聞などにも載っていたから知ってる人も多いだろうが、排便後肛門を洗浄することにより、肛門周辺の細菌や皮脂を洗い流してしまい肛門周辺に炎症が生じ、排便困難に陥る人が増えているらしい。
 当たり前だ。
 肛門には腸内細菌が生息していて、こいつらが健康な生活を援助してくれてるのに流してしまうなんて馬鹿馬鹿しいにも程がある。ついでに流しすぎで炎症。これも間抜けだ。もともとそこは洗い流すような場所じゃない。水が頻繁にかかるような場所なら、もっと皮脂が分泌される。人間は蛙や魚じゃないんだから、必要以上に水を使って身体を清める必要はない。
 この商品が出た頃は各務も使ってみたかったが、少したってこの危険性に気付いた。それ以来使ったことはないし(話の種に使ってみたい気もするけど)、いつかこんなことになるんじゃないかと思ってた。
 欧米諸国のデーターによると、アトピーもちの子供(成人も含めて)は先進諸国ほど比率が高いそうだ。また、そういった子供達はだいたい神経質な両親を持っていて、あまり外に出ないらしい。ついでにその子供自信もやや神経質な子が多いそうだ。
 そんな子供達を一ヶ月間、親から離してキャンプさせてみたりすると、約半数が症状軽減するらしい。
 やっぱりあまり清潔すぎる事や、両親からの精神的圧力というのは正直に身体に出てしまうものなのだろう。

 しかし・・・・

 そう分かっていても、それを実践することは、少なくても日本では難しい。
 毎日風呂に入ってないなどといえば、それが自分の健康のためであろうと指差されるのは間違いないし、ビデの危険性を訴えれば心配性だと一笑されるだろう。
 かくいう各務は、風呂は2〜3日に一回にしている。単に、入らなくてもいいなら入りたくないほどの風呂嫌いなだけだが、黙っていれば特にくさいとか不潔といわれたことはない。3日洗わないくらいじゃふけも出てこない。
 夏場はさすがに毎日シャワーを浴びてるが(汗でべたつくから)、石鹸を使うのは2日に一回。でも周囲から文句が出たことはない。
 そこから各務が思ったことは、清潔ブームというのは「回りもそうに違いない」と思う思い込みと同調作用、それと自己満足に乗っかったものではないかということだ。
 その証拠に、各務は洗顔しても風呂に入っても肌が突っ張ることはないし、尻が腫れ上がることもない。
 一時期毎日髪を洗っていたらはげるのかと心配するほど髪が抜けたが、今はそれもない。
 人間として失格かもしれないが、ヒトとしては健康である。荒れやすい唇を除いて。



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