あれよあれよと言う間に、「響」はオープンした。
時々、ビラを配っている時に裕と会って話はするものの
「裕のお店行こうかなぁ」
そんな風に言う私に裕は
「今までの店と違って高価いからやめとけ。」
そう言って店に来るのを拒んだ。
「私の事を考えてくれてる」
そう思って私は段々有頂天になっていった。
そんなある日
私の働くお店のイベントで
「ゆかたデー」なるものが開催された。
内容としては、全員浴衣を着てくる。
それだけの事なんだけど
その日の私は絶好調だった。
みんなが紺の無難な浴衣を着てる中
オレンジ色の浴衣を着ていた私。
髪の毛も得意のアップで自分でも目立ってたのが分かった。
仕事が終わった後
私はどうしてもこの格好でホストに行きたくて
裕に電話をかけた。
「お願いー。せっかく浴衣だから遊びに行きたいの」
そう言うと裕は渋々了解してくれた。
そして、ついに初高級ホストへの扉を開いた。
その瞬間私を迎えた言葉は・・・
私の隣の席の普通の女の子が注文したソレは
夜の世界では1本20万円するシロモノ。
とんでもない所へ来てしまった・・・。
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