きょうの読書
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2009年04月02日(木) |
「聖女の救済」東野圭吾 |
男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。草薙刑事は美貌の妻に魅かれ、毒物混入方法は不明のまま。湯川が推理した真相は―虚数解。理論的には考えられても、現実的にはありえない。
ガリレオシリーズです。新刊も良く出るしこのシリーズは人気ですねー。 今回はドラマにも出ていた内海薫が登場していました。 あれ?この子ってドラマオリジナルじゃなかったっけ?と思って調べたらやっぱりそうでした。原作にも登場しちゃったみたいです。ただその分、草薙さんの活躍が減って寂しい・・。
話的には薫と草薙さんが意見を言い合って対立してそれを湯川がまとめて解決にもつれ込む・・何かドラマ仕立てなストーリーだったです。 やっぱTVを見ているとその映像や人物とかと重ねて読んでしまうから今回本自体を上手く読めなかった気がする・・。ドラマを見ていなかったらまた違った感想になったかもしれないです。 あまりドキドキわくわく感はなかったけど読みやすく一気読みしてしまいました。
2009年02月11日(水) |
「夜明けの街で」 東野圭吾 |
渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。僕の目には若く見えたが、彼女は31歳だった。その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。果たして秋葉は罪を犯したのか。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた・・・。
やっぱり不倫は駄目ですよ・・それが事件の解決に繋がったとしても。 自分も主婦になってしまった今、渡部の奥さんの心情になってしまうのでした。
2009年02月10日(火) |
「ダイイングアイ」 東野圭吾 |
誰もが少しずつ嘘をつき、 誰かを陥れようとしている。
記憶を一部喪失した雨村慎介は、自分が交通事故を起こした過去を知らされる。 なぜ、そんな重要なことを忘れてしまったのだろう。 事故の状況を調べる慎介だが、以前の自分が何を考えて行動していたのか、思い出せない。 しかも、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める……。
俺をみつめるマネキンの眼。 そいつは、確かに生きていた。
交通事故を起こした当事者、被害者、関係者がその事故をきっかけとして徐々に破綻に追い込まれていくといった話です。ちょっとホラー的な要素もあって今までの東野さんと作品とはちょっと違った面が見られるかもしれません。
2006年06月05日(月) |
「幸福な食卓」 瀬尾まいこ |
「大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの。」 とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。 いま最注目の作家が放つ、心にふわりと響く長編小説!
「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。・・・父さんの衝撃的な一言で始まる本作品は、いま最注目の新鋭作家・瀬尾まいこ氏による4作目となる長編小説であるとともに、主人公・佐和子の中学~高校時代にかけての4編の連作による構成となっています。 佐和子の“少しヘン”な家族(父さんをやめた父さん、家出中なのに料理を持ち寄りにくる母さん、元天才児の兄・直ちゃん)、そして佐和子のボーイフレンド、兄のガールフレンドを中心に、あたたかくて懐かしくてちょっと笑える、それなのに泣けてくる、“優しすぎる”ストーリーが繰り広げられていきます.
ちょっとおとぼけででもせつなくてほんのり温まる家族の風景。読んだあと無性にシュークリームを作りたくなりました。よしこさん、いいですvv
大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちが様々な品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれれていた。 夜市では望むものが何でも手に入る。小学生の頃に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。 そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが――。
本屋さんであらすじを読んで思わず衝動買いをしてしまったもの。まず装丁がとても幻想的。つい手にとってしまいました。そして話もふわふわとしてやはり幻想的。でもしっかりと裕司たちの思いも共感できる。こんなエンディングもありかなと思わされる作品でした。
書き下ろしで「風の古道」という作品も収録されているのですが、私はこちらの方が好き。古道という不思議な空間や登場人物たちにいつのまにか魅了されている自分がいるのでした。お勧めの一冊です。
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。
久しぶりに読んだ東野さんの本。相変わらず一気に読ましてくれました。犯罪者の家族を主人公として話は進みます。今までの東野さんの作品のようにトリックがあったりスリルがあったりとかはありません。主人公直樹の兄が犯罪者であるということを中心に直樹の成長を追っています。難しいです。それぞれの立場からの意見もあると思うしいわれのない差別を受けることは苦痛であると思います。ただ、罪は罪であって、どんな形であれ償いが必要、報いを受けることとなる、ということをこの本は語っているのだと私は思いました。
2005年08月25日(木) |
「デッドエンドの思い出」よしもとばなな |
人の心の中にはどれだけの宝が眠っているのだろうか――。時が流れても忘れ得ぬ、かけがえのない一瞬を鮮やかに描いた傑作短篇集。
大学の同級生である男女の出会いと別れ、そして再会に、普遍的な人生の営みを重ねた「幽霊の家」。会社を逆恨みする男によって毒を盛られたカレーを社員食堂で食べてしまった女性編集者の心の動きを描いた「おかあさーん!」。小説家の「私」が子ども時代に実家のある街で体験した男の子とのせつなく甘美な時間を回想する「あったかくなんかない」。そして、同じビルに勤める旅の雑誌を編集する男性への5年間の思いを実らせようとする女性の思いをつづった「ともちゃんの幸せ」など、痛苦に満ちた人生の局面にそれぞれのやり方で向かい合う女性主人公の姿が肯定的にとらえられている。
この人の本ははじめて読みました。妹がいいよーと言っていたので図書館で聞いたことのある題名だったこの本を借りました。――やられた〜×× ほんとによかった。他愛ない日常がすごく愛しくなるような、誰かと一緒にいたくなるような、すっと心に染み込んでくる作品だった。あっさりとして読みやすかったし。これから古本屋でこの人の本を集めようかなぁ。
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