うさぎ日記
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2015年10月03日(土) |
サンダカンの海(1) |
母が亡くなって、毎日、母を思わない日はない。
ふと気が付くと、母のことを考えている。
亡くなった後に、「お母さんはね・・・。」と母のことを私に告げるひとが時々いる。
生きている時は、「良いお母さんだ。良いお母さんだ。」と褒めてくださるかたばかりだったのに、 亡くなった後、母について聞くのが辛いようなことを私に告げるひとがいる。
晩年の母は認知症だったので、方々の私の知らないところで奇矯なふるまいをしていたらしい。
その奇矯な行動の一つ一つが私に告げられる。
認知症から来る症状として、そのようなことはしていただろうと思うので、
「知らないところで御迷惑かけていたのですね。申し訳ありません。」
と、ひたすら謝る私に、追い打ちをかけるように、
「実は、こういうこともあった。ああいうこともされた。」
と、母の狂態を次々と聞かされるのは子供としては本当に辛い。
どういうつもりで、そのようなことを私に言うのだろうか。
話しぶりからは、今までも、母の狂態を周囲に告げて「あの、しっかりした人がねー。こういうことして・・・」と、笑っていたであろうことがうかがえる。
母は、その人たちのことを友人だと思って、あれこれと気遣いしていたのに。
母が可哀想でならない。
母の人生を思うと、なんと報われないことの多い人生だったかと思う。
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