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窓のそと(Diary by 久野那美)
by 久野那美
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■洗濯。
最近なんだか毎日ばたばたしていて、
頭の中がドラム式の洗濯機のようになっている。
(でも何もきれいにならない。むしろ散らかる一方。)

何にも考えない時間がほしくて、突然思い立ってひとりで温泉に行ってみた。バスを2つ乗り継いだところにスーパー銭湯仕立ての天然温泉があるのだ。小さな露天風呂につかってぼおおおおおおっと空を見る。
電線にすずめが1列に並んでいる。
今日はすずめは見ないようにしようと決めて反対側を向く。
すずめは疲れるから。
小さい岩の間からお湯が落ちてくるのをぼんやりと眺め、
ぬるめのお湯に溶けそうになりながら、じいっと、ただ、じいっと座っていた。静かで、とてもよい具合。

考えない。何も。お湯のこと以外は。

そうしていると、
不思議なことに、涙があふれてきた。
なるほど、これで頭の中のもの、洗い流すのか。

じゃぶじゃぶじゃぶ。

何も、考えずに、考えずに、じゃぶじゃぶしていた。
もちろん、静かに。音をたてるこなく。

温泉のいいところは、その程度では誰も、「どうしたんですか?!」
と聞いてきたりしないことだ。

お湯から出ると、またバスを乗り継いで帰ってきた。
家についたら夜だった。

夜、帰ってからお風呂に入らなくていい、というのは
すごく得した気分だった。

すっごく休日っぽい過ごし方をまたひとつみつけた。


10月17日(月)
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