ID:94789
きゅっ。
by きゅっ。
[704366hit]

■各論@
不動産鑑定士等は、総論において記述したところに従い自己の専門的学識と応用能力に基づき、個々の案件に応じて不動産の鑑定評価を行うべきであるが、具体的な案件に臨んで的確な鑑定評価を期するためには、基本的に以下に掲げる不動産の種類別に応じた鑑定評価の手法等を活用する必要がある。
第1章 価格に関する鑑定評価
第1節 土地
T 宅地
1.更地
更地の鑑定評価額は、更地並びに自用の建物及びその敷地の取引事例に基づく比準価格並びに土地残余法(建物等の価格を収益還元法以外の手法によって求めることができる場合に、敷地と建物等からなる不動産について敷地に帰属する純収益から敷地の収益価格を求める方法)による収益価格を関連づけて決定するものとする。
再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも関連づけて決定すべきである。当該更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等においては、さらに次に掲げる価格を比較考量して決定するものとする(この手法を開発法という。)。
(1)一体利用をすることが合理的と認められるときは、価格時点において、当該更地に最有効使用の建物が建築されることを想定し、販売総額から通常の建物建築費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除して得た価格
(2)分割利用をすることが合理的と認められるときは、価格時点において、当該更地を区画割りして、標準的な宅地とすることを想定し、販売総額から通常の造成費相当額及び発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を控除して得た価格
なお、配分法及び土地残余法を適用する場合における取引事例及び収益事例は、敷地が最有効使用の状態にあるものを採用すべきである。
2.建付地
建付地は、建物等と結合して有機的にその効用を発揮しているため、建物等と密接な関連を持つものであり、したがって、建付地の鑑定評価は、建物等と一体として継続使用することが合理的である場合において、その敷地について部分鑑定評価をするものである。
建付地の鑑定評価額は、原則として更地としての鑑定評価額を限度とし、配分法に基づく比準価格及び土地残余法による収益価格を関連づけて決定するものとする。
この場合において、当該建付地の更地としての最有効使用との格差、更地化の難易の程度等敷地と建物等との関連性を考慮すべきである。
3.借地権及び底地
借地権及び底地の鑑定評価に当たっては、借地権の価格と底地の価格とは密接に関連し合っているので、以下に述べる諸点を十分に考慮して相互に比較検討すべきである。
@ 宅地の賃貸借等及び借地権取引の慣行の有無とその成熟の程度は、都市によって異なり、同一都市内においても地域によって異なることもあること。
A 借地権の存在は、必ずしも借地権の価格の存在を意味するものではなく、また、借地権取引の慣行について、借地権が単独で取引の対象となっている都市又は地域と、単独で取引の対象となることはないが建物の取引に随伴して取引の対象となっている都市又は地域とがあること。
B 借地権取引の態様
ア 借地権が一般に有償で創設され、又は継承される地域であるか否か。
イ 借地権の取引が一般に所有者以外の者を対象として行われる地域であるか否か。
ウ 堅固建物の所有を目的とする借地権の多い地域であるか否か。
エ 借地権に対する権利意識について借地人側が強い地域であるか否か。
オ 一時金の授受が慣行化している地域であるか否か。
カ 借地権の譲渡に当たって名義書替料を一般に譲受人又は譲渡人のいずれが負担する地域であるか。
C 借地権の態様
ア 創設されたものか継承されたものか。
イ 地上権か賃借権か。
ウ 転借か否か。
エ 堅固の建物の所有を目的とするか、非堅固の建物の所有を目的とするか。
オ 主として居住用建物のためのものか、主として営業用建物のためのものか。
カ 契約期間の定めの有無
キ 特約条項の有無
ク 契約は書面か口頭か。
ケ 登記の有無
コ 定期借地権等(借地借家法第二章第四節に規定する定期借地権等)
(1)借地権
@ 借地権の価格

[5]続きを読む

03月11日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る