ID:87761
ゆれるゆれる
by てんのー
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■あるくあるく。
なんだか衝動に突き動かされて、歩く、歩く、歩く。
 うちへ帰ろうとした夕方、5時すぎではまだまだ、昼過ぎみたいな太陽の高さだ。

 もったいないので、八丁堀から本通りを抜けて、モルモン教のチャリンコ宣教師を意味なく尾行しながら平和公園に入り、すごい数の修学旅行生と観光バスを眺めながら、また一往復して川沿いを時速5.5キロで歩いていく。空鞘橋、寺町、十日市、観音。21世紀の下町の道には車や自転車はやたら多いけれど、歩いているのは、暇人の俺と散歩中のじいさんぐらいのものだ。

 4歳ぐらいの女の子がおばあちゃんとバドミントンをしている。
 散歩のじいさんはパジャマ姿である。しかも異様に目つきが鋭い。

 高そうなマンションが堂々と景観に割り込んでいる。おかげで怖いような静かさだ。

 西広島まで歩いて電車に乗った。

 降りた駅からうちまで、また3キロ、40分ほどの道のりである。やけくそみたいにがしがし歩いていく。

 帰ってしばらくしてから、やっと暗くなり始めた。三日月より少し太い月がいやに美しい。

 あぢさゐの季節になりましたね。はやいものです。
帰り道の紫陽花

06月05日(木)
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