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ゆれるゆれる
by てんのー
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■断食明け大祭 僕はジャングルトレッキングへ
非常に感じたのは、道具に対する妄信ともいうべき信頼だ。すぐに道具自慢をしたがるのは日本にもよくいるが、日本ではいい道具を使う輩が、夏山の死者の一番多い年齢層とぴったり重なるのは偶然ではないように思う。
すこしわかったことがある。この国では、トレッキングというものはまだまだひよっこの、新しい概念なのだ。せいぜい10年かそこらの歴史しか持っていないし、そもそもが外国から持ち込まれた借り物の遊びなのだ。だから、日本の登山史のように、自ら痛い思いを体に刻み付けるまでは、何を言っても無駄かもしれない。
とにかく、僕がこうあきれるほど、彼らはあらゆる危機管理ができていなかった。遭難を防ぐための、何重にも張り巡らすべき危機回避策がまったくとられていない。AがだめならB、BがだめならCという発想がない。これがひたすら信じられなかった。何か問題が起こるとそこで思考停止してしまうのだ。そして下される決断は、もはや思いつきとしか呼びようのないものだった。この怒りの前には、ごみを持ち帰りながら(これは雑誌か何かで借りてきた思想だろう、普段ごみを投げ捨て放題の彼らを見ているから不思議だが)も生ごみを投げ捨てたり、沢の水で食器を平然と洗ったりすることへの怒りもしぼんでしまった。勝手にしろ、と思えばすむことだった。ここはお前らの国なんだ。日本でもそういう馬鹿はいる。
甲斐がないとわかっているが、とにかく、こいつらと一緒に泊りがけの山へ行くのはごめんだ。
変な予感が当たってがっかりしている。死ななくてよかったよ。
12月08日(日)
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