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Kenの日記
by Ken
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■メトロポリタン歌劇場のイル・トロバトーレ
ベルディのオペラ「イル・トロバトーレ」に夢中のいなっているのですが、10月31日から始まったMETライヴビューイングの「トロバトーレ」を観てきました。今年2015年10月3日に収録された公演です。この公演は「ザルツブルグ音楽祭」で話題となったアンナ・ネトレピコが「レオノーラ」を歌うことも注目でしたが、それに加えて今年夏脳腫瘍の手術を受けたバリトンの「ホロストフスキー」の姿を見ることができると言うことで話題となりました。ライブビューは始めての経験でしたが、席が少し前過ぎた反省があったもののオペラの素晴らしさを堪能できる大変有意義な方法だと思いました。入場料金は「3600円」ですが決して高いとは思えない水準だったと思います。
第一幕で「ホロストフスキー」が登場するとネトレプコ以上に盛大な拍手で迎えられていました。ホロストフスキーは病気・手術後(脳腫瘍)ということを全く感じさせない歌い振りで、現代最高の男性歌手であることを証明していました。ネトレプコは昨年のザルツブルグより更に進化していて、もはや他の歌手の追随を許さない圧倒的な表現力を示していました。ネトレプコは長男に手が掛からなくなりオペラに専念できる環境となったようです。そのネトレプコと復活したホロストフスキーには「トロバトーレ」はぴったりの演目だと思います。この二人の共演はひょっとすると長く語り継がれるものとなると思います・
アズチェーナを歌った「ドローラ・ザジック」、フェルランド「ステファン・コツァン」は非情に安定していて脇を固めていました。惜しむらくはマンリーコの「ヨンフン・リー」で、声は良いものを持っているものの表現が硬く一本調子であったことが残念でした。演出は「デイヴィッド・マクヴィカー」。奇を衒わずにオーソドックスな雰囲気を出していたと思います。昨年今年のザルツブルグのような現代的な演出に比べると、分かりやすく物語にすんなりを入っていける演出だったと思います」。METライブビューイングは10年目を迎えたということで日本でも固定客を掴んでいるようです。今日は平日で「雨模様」にも拘らず午前10時からの上映では多くの観客を集めていました。
METライヴビューイング ヴェルディ作曲「イル・トロヴァトーレ」
レオノーラ:アンナ・ネトレプコ
ルーナ伯爵:ディミトリ・ホヴォロストフスキー
マンリーコ:ヨンフン・リー
アズチェーナ:ドローラ・ザジック
フェルランド:ステファン・コツァン
伴奏:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
指揮:マルコ・アルミリアート
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
11月02日(月)
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