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Kenの日記
by Ken
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■ベルリンフィル次期常任指揮者決定
ベルリンフィルの次期常任指揮者にロシアの「キリル・ペトレンコ」が選出されたそうです。今年5月14日に行なわれた次期指揮者選出のための楽団員総会では結論を出すことができず、一年以内に再度楽団員総会を開いて決定することとなっていました。それから1ヵ月と少し経った6月22日の決定です。私としては予想以上に早く結論が出たという感じがしました。
今回の常任指揮者選出過程の経緯に関してネット情報を見てみると、ベルリンフィルの常任指揮者候補として「クリスティアン・ティーレマン」の存在が良くも悪くも大きかったようです。ティーレマン支持派には生粋ドイツ人系譜のティーレマンへの期待が大きいようです。フルトヴェングラー、カラヤン以降はアバド、ラトルと非ドイツ人の指揮者が続きました。オペラハウス叩き上げでワーグナー・ベートーベン等ドイツ作曲家物を得意とするティーレマンが常任なると話題性もありCDも売れるかもしれません。
一方の反ティーレマン派にとっては傲慢で強引な感じが否めない音楽とそのキャラには正直付いていけないというのが本音でしょう。カラヤンの最後の方とかアバド時代は楽員と識者の関係は冷え込んでいたようです。やはり楽員も人間ですから付き合うなら心地良い方が良いに決まっています。しかし反ティーレマン派はアンドリス・ネルソンスで固めきれず結局再度検討ということになったのだと思います。
今回予想外に早く結論に達することができたのは反ティーレマン派がティーレマン支持派説得に成功したのだと思います。時間を掛けていては「ティーレマン」の強烈な集票運動に適わないとみたのではないでしょうか。考えてみれば「キリル・ペトレンコ」という選択は当を得た選択であるように思えます。ベルリンフィルをまだ3回しか振っていないのだそうで私も聞いたことがありませんが、写真を見る限り如何にも人格円満で人の良さそうな風貌をしています。またペトレンコがロシア出身ながらウィーン国立大学で音楽を学び、オペラの指揮経験が豊富で特にワーグナーの楽劇に造詣が深いことはティーレマン派を切り崩す材料になったと思われます。ネット書き込みを見ると非情に誠実で丁寧な音楽作りをする指揮者のようです。ベルリンフィルがどのような演奏を聞かせてくれるのか楽しみです。
06月23日(火)
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