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Kenの日記
by Ken
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■「カバレリア・ルスティカーナ」&「パリアッチ」

文京区民オペラ「CITTADINO歌劇団」の「カバレリア・ルスティカーナ」と「道化師」を聞いてきました。場所は文京シビックホール。ホールが会社の近くなので貼ってあったポスターで公演を知りチケット買っておいたのでした。朝から雪が止まず家から武蔵浦和駅までの道も雪だらけで靴は濡れるし気温も低いしで外出には最悪のコンディションでしたが、オペラが素晴らしかったので非常に気分良く書いています。
会場の席は2階のA席でふたりで4000円。舶来のオペラだと最低でもこの5倍するので、失礼ながら最初から「だめもと」を覚悟していました。ところがところがこれが素晴らしい舞台でした。ホールが少し小さめなのが功を奏したこともあるでしょうが、歌い手の声が良く通るのです。下手な小細工はしないでしっかり歌っていることが良いのでしょう。といって決して一本調子ではないのです。
「カバレリア・ルスティカーナ」
サントゥッツァ:諸田広美さん
トゥリドゥ:浅原孝夫さん
ローラ:渡邊清美さん
アルフィオ:金子亮平さん
ルチア:丸山栄子さん
諸田さんのサントゥッツァが最後まで圧巻でした。低音から高音まで良く通る「声」です。「嫉妬深すぎ」という(破滅の原因となる)役柄を上手に演技していたと思います。ローラの渡邊さんも出番は少ないのですがローラのキャラクターを上手く表現していました。浅原さんは出だしこそ少しセイブしていたようですが、後半では魅力的な声を存分に聞かせてくれました。聞かせ所で一箇所声が出なかったのが残念でしたが、直ぐに挽回したのはさすがです。特に「日本人」を感じさせない歌い振りなので、何でもっと出ないのだろうと不思議になります。全体としてはしっかりしたオケの伴奏で、素直な発声が非常に好ましく、ローカルなオペラがこれほどの水準であることが誇らしい気分になりました。
「道化師」
カニオ:東小野修さん
トニオ:豊島雄一
ネッダ:片岡ひろみ
シルヴィオ:鶴川勝也
ペッペ:柳隆幸
最初の豊島さんトニオの「口上」から観客を引き込みました。良く通る声と良く考えられた演出が光りました。ネッダの片岡さんは他の人達に比べると少し聞き難かったですが、舞台が進むに連れて声が出てきた感じです。喜劇団の「花」みたいな役を上手く表現していたと思います。見栄えも立派でした。前半の聴き所の「シルヴィオとネッダ」のドュエットは立派でした。細面の二枚目鶴川さんのシルヴィオの声はここに来て全開でした。見事な出来栄えだったと思います。そして最後の「カニオの歌」。カニオのキャラクターをしっかり歌っていたと思います。
後半は悲劇への突進です。ここは劇中劇のストーリー、それと全く同じストーリーのオペラの筋、そしてそれを演ずるCITTADINOの歌い手達と複雑な設定ですが、東小野さんの見事なカニオが舞台を引き締めました。舞台の隅の方(観客に混じって)で見守る「シルヴィオ」がどんな様子をしているのか興味があるのですが、そちらには目が移す余裕はありませんでした。これだけのオペラが一人2000円で聞くことができるとは思いませんでした。この公演成功(自己満足に陥らずに)の背景には以下のような要因があると思います。
○オペラ好きのアマチュア歌手が沢山いること。
○音大卒業生を中心にしっかりした技術を見につけた歌い手が増えたこと。
○市民とプロを上手くコーディネートするオペラ好きがいること。
○自治体が適度な大きさのホールを用意して助成もすること。
全国に数多くの「市民オペラ」があるのしょうが、今日の公演ような環境に恵まれたオペラも少ないのではないでしょうか。
02月03日(日)
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