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今日の私
by かずき
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■『労働者M』
<場所>シアターコクーンA-4番
 (位置はXB列で、実際は2列目の稼動席でした)
<時間>1幕19:00〜21:05、2幕21:20〜22:25
<作・演出>ケラリーノ・サンドロヴィッチ
<出演>
 堤真一:牧田/ゼリグ、小泉今日子:ミミ/リュカ
 松尾スズキ:黛/ランプ/父、秋山菜津子:モリィ/ユードラ/母/教師4
 犬山イヌコ:ミドリ/サキ/ロラン夫人/社長
 田中哲司:目崎/クラウス/窓口の男
 明星真由美:花本ミサオ/ハンナ/ニセ小泉/教師3
 貫地谷しほり:アヤカ/レナータ/妹/教師5
 池田鉄洋:益子/トマッソ/ニセ堤/ギョタン博士
 今奈良孝行:三島/ダントン/看守の男
 篠塚祥司:宇田/ピエンタ/教師2
 山崎一:森/ポタージュ/教師1

分からなかった。
まだパンフレットも何も読まないで書こうとしていますが、
あらすじも掴めてないし、登場人物すら理解しきってないと思う。
役名を入力しながら「これ誰だった?」って人もいる始末だし。
近未来と現代、2つの話が交互に進められる形だったんだけれど、
冒頭で紙のお面をかぶって出てきた、ニセ小泉&ニセ堤の
説明によると「うどんと そばが、うどん、そば、うどん、うどん、
うば、そどん、そどん・・・という感じで出てきます」状態のうえ、
「肝心の台詞や肝心の場面が、欠損している場合もあります」
のため、場面が変わるたび「この人、さっき何してた?」とか
悩んだり、悩む間にまた変わるという具合で、何が何やら。

基本的にケラさんの舞台は、
理解できなくても納得はしちゃうものだと思ってるんですけど。
私にとっては海外旅行並みに異文化体験のようなもので、
「えっ、この状況でこういう反応する人がいるものなの?!」と
思ってしまう人ばかりの違和感が気持ちいい感じというか。
理性や習慣は否定するけれど、感情の流れとしては、
「ありえなくはないの・・・かな」と、納得して終われる感じ。
ストーリー云々よりも、違和感を楽しむための舞台かな。
それが今回は、それ以前の時点でストップしてしまって。

まだ現代の事務所編の方は、ついていけてたかもしれない。
人生相談所のかたちを借りた、ネズミ講の事務所。
そこで働いているのは、かつて自殺しそうになったりで
ここの事務所に電話してきた人ばかり。全員頭文字はM。
やっぱり、うつ病の人や、妙にいつもハイテンションの人や、
騙すつもりで客に逆に騙されてしまう人など、どこかしらで
普通に会社勤めするのが難しい状態の人たちばかりで、
こちらだけなら、いつもの感じで観られたかもと思ったり。

でも、近未来編の方は、割と普通の人々の話。
姿なき最高責任者Mの一言で、管理者側と収容者側が
次々に入れ替わるとか、生きてるか死んでるか、見た目では
判断のつかない土星人が暗躍したかもしれなかったりとか、
状況は異常だけれど、人々の反応は、理解の範疇にある感じ。
人間が普通なら、状況の違和感を描くのかなと思っていたら、
状況説明を終えただけで、いきなり終了(と私には感じられた)。

この近未来編が、私にとってガンだったんだろうな・・・。
「一応、全員出してみました」程度と感じた役も多かったし、
メインのリュカは、Kyon2が演じきれていないと感じたし。
堤さんも秋山さんも、コスプレは似合ってかっこよかったけど、
彼らですら、それ以上の面白みを感じさせてくれなかった。
現代編と表裏になる、何かリンクするものがあるのに、
私がたどり着いていないだけかもしれないのですが、
「面白そうだから思いつきでやってみたけれど、結局
こなせないまま舞台に上げちゃった」のかもとまで感じて。

全編3時間半、寝もせずに観終わっても、見事に完璧に
「何だったの?」という感想しか持てなかった自分がいました。
終わって、呆然。心から、連れがいてくれて良かった。
いなかったら、暴れていたかもしれないぐらい分からず、
「はあ?」以外の感想がない舞台でした。初めてだよ。
池田トマッソとか、松尾@父の拷問シーンの遊びとか、

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02月20日(月)
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