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今日の私
by かずき
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■『リンダリンダ』(KOKAMI@networkVol.6)
<作・演出>鴻上尚史
<出演>
ヒロシ:山本耕史、マサオ:松岡充、荒川:大高洋夫、
ミキ:馬渕英里何、大場:北村有起哉、アキコ:SILVAほか

<感想>(ラストまでネタバレ有り)
楽しむために行って、楽しんで帰ってきました。
「山本耕史かっこいいー!」「松岡、歌ってると万倍かっこいいー!」
「やっぱブルーハーツ好きー!」「大高さんもいいぞー!」って。

ブルーハーツって、こっぱずかしい言い方をすれば、
野郎どもの夢や青春の熱について語っちゃってる歌ですよね。
でもそれは、その真っただなかに居る若者の歌じゃなくて、
ちょっと過ぎてしまった人が振り返った時、一抹の寂しさや
ほろ苦さとともに、最も良さを感じられるような歌だと思う。
だからこそ、「夢」に熱さを持ったことがない私のような人間も、
容易に共感し、好きでいることを許してもらえる気がしている。

その雰囲気が、山本耕史の、何でも器用に出来ちゃうが故の
微妙な醒め感に ものすごく合っていたような気がする。
『RENT』の時の、熱を持った仲間の1人でありつつも、
外から彼らの映像を撮る側であり、ナレーターでもあるという、
客観的立場であり続けるマークをほうふつとさせる彼の姿。
実際に、暗いステージの中で1人、落ちるスポットライトを浴びて
ナレーションをする彼の姿に、とにかくハマったかもしれない。

バンド「ハラハラ時計」のボーカルでもあった自分の弟が、
J−POPデビューのために引き抜かれたことで、
「本物のロックって何だ?!」と、いきなりぶっちぎれてしまい、
無茶な干拓工事を行った堤防を破壊しようと提案するヒロシ。
学生運動に参加して抜けられず、人生30年を闘争に費やし、
今、何とかそれを終わらせたいと強く願っている荒川。

作り上げた爆弾は、機動隊に追い詰められる中、風船によって
運ばれ、遠い沖合いで爆破、証拠隠滅となってThe ENDで、
結局かなわない夢が、風船とともに消えるだけなのだけれど、
結果じゃなくて経過が問題なんだ、どれだけ走り続けられたか、
それが夢の価値なんだと思える辺りが、ブルーハーツらしい。
話としては、何もない。何が解決したわけでもないけれど、
勢いのままにガンガン歌いまくる舞台が「らしくて」良かった。

難を言えば、若干、ダレたソロがあったことは確か。
SILVAは、時代を感じさせる服装や演技の下手さもあいまって、
いかにも「ロッカーの長年つきあってる年上の彼女」っぽかった。
「某アイドル8年越しの彼女」として写真週刊誌に写っていた、
自分が若かった頃いけてた服装をまだ着ている「元アイドルの卵」
的ダサさが、逆に妙にリアルだっただけに、あまり共感できず、
彼女のソロは、少なくとも私にとっては、ちょっと辛いものだった。
同様に、「独りでイっちゃってる系外してるヤツ」大場のソロも、
面白いと思える時間よりはちょっと長かったかなという印象。
その辺りをもう少し削って短くしてくれても良かったかな。

あと、メインの、バンドがこれからどうなるかという話が、
ヒロシを中心に後の人物は巻き込まれ型だった上に、
巻き込まれた側の演技力が若干足りなめだったためか、
W主役だというのに、マサオ側の葛藤が、いまひとつ
感じられなかったのが残念だったかな・・・。
そのせいで、本来ならヒロシの彼女とどうなるか問題と、
マサオの人前で歌えないぞ問題ぐらいが並び立つはずが、
マサオ側が弱くなってバランス悪くなっていた気はした。
いっそマサオの話はカットしてもいいかもと思ったけれど、
保育園ミュージカルの場面は好きなので、勿体ないかな。

とにかく、山本・大高・松岡が良かった。
ブルーハーツに負けない力強さと 突っ走り感があった。
できればもっと観ながら動きたかったなー。座って観るにしても、
多少、指を動かすとかぐらいだけでもノリたくて、辛かった。
最後のアカペラ(だったよね?盛り上がりすぎて記憶あいまいだけど)
での♪リンダリンダ合唱だけでも立ち上がって動けて楽しかったです。
11月27日(土)
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