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今日の私
by かずき
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■G2『痛くなるまで目に入れろ』(初日)
G2『痛くなるまで目に入れろ』(ネタバレ付き)

<場所>紀伊国屋ホール M-16番
<出演>
 松田将:山内圭哉、晃(将の父):陰山泰、長谷川(執事):久保田浩
 肇(将の幼馴染):中山祐一朗、理沙(将の元彼女):松下好
 鰐淵(暴力団組長):坂田聡、美里(鰐淵の妹):岩橋道子
 ロドリーグ(鰐淵の妻):シルビア・グラブ、中川(若頭):曽世海児、
 海老江(構成員):久ヶ沢徹、新山(構成員下っ端):渡辺慎一郎
<休憩なし>2時間10分

ミステリじたてっぽい舞台だったのね。
そして、小劇場系ではほとんど期待していない事なんだけど、
観終わって「ああ、こういうタイトルだったんだ」と納得できた話。
(予約時に見たあらすじとは大幅に違ったようだけど(笑))
本当に痛くなるまで目に入れないことには、この父子の、
2人だけで完結してしまった関係性はどこにも向かわない。
父親が死ぬ時、息子を連れて行けなかったら、それこそ悲劇。

いやもう、そんなに真面目に書いたところで所詮、
最初の感想は「ひでぇ。」だけだったりするんだけど。
ホントめっちゃひどい話。あらすじは、すごくまとめにくいけど、
鰐淵組に追われて5年間 隠れ住んでいる将には、時々
記憶が飛んでしまうことがあって、前の恋人理沙についても、
葬式をした記憶だけ、どうして彼女が死ぬことになったのか
覚えてないという状況で。そこに幼馴染の肇が、記憶を
なくす前の将に預けられたと言って、将の手紙を持って現れる。
「あれは親父にバレないように あそこに隠した」という内容の
意味を探して彼らが動き出したことから帰ってくる過去の数々、
そして繰り返される新たな事件・・・ってな感じかな。

裏社会にも力を持ち、どんな事でもできちゃう父親が
息子を盲愛してて、レールを引きまくって管理していて、
レールから外れようとすると、あらゆる手を使って修正する。
感情が高まりすぎると、プツンと意識と記憶が途切れてしまうという
息子の病気もあり、多くの人を巻き込みながら何度も繰り返される
逸脱と修正。最後に凄惨な現場で将を抱きしめて「大丈夫、
大丈夫」と息子をあやす父親って・・・、ちょっと、ぞっとしたり。

母子だと割りと有りがちな感じで、もっとドロドロするだろうけど、
父と息子のせいかな?恋愛とか性とか そういう絡みがなくって、
越えられない壁と息子の間の対立の構図がカラッとしてて、いい。
息子側が記憶喪失という病気を乗り越えられないかぎり、
父との対立はどの方向にも全く進展する可能性がないのが
ちょっとホラーで怖かったけど、笑いをたくさん挟んでエンタメして
終わりは「うひゃぁ、救いがねぇ(^^;」と叫んで終われた楽しさ。
楽しませてちょこっとテーマなバランスがとても好みの舞台でした。
09月10日(金)
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