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今日の私
by かずき
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■My『ミス・サイゴン』初日(マチソワ)
わたし的サイゴン初日。
あまり好きな話じゃないし、続けて観たくないという意識は
あったのですが、開演時間的に土日しか観られないので
やむを得ずマチソワから。でも、マチソワでキャストによって
とても違うこともあって、結構面白かったです。思ったより
短いから、ソワレ最後まで体力・気力が保てるし(笑)


<マチネ>別所、知念、石井、坂元、ANZA、tekkan、平澤
    アンサンブル:め組
<座席>C-42番

ものすごくビックリしました。
この演目は以前BWで一度だけ観たことがあるのですが、
その時に隣の白人さんの態度にむっちゃ腹立ったのに、
今回、なぜか私はアメリカ人たちの感情しか理解できない。
エレンの♪今 彼女に会った では、思わずボロボロ泣いたし、
最後も、自殺したキムを抱き締めるクリスなんぞ目に入らず、
タムの前にしゃがみ込み、その頭にそっと手を伸ばすエレンに
うるうるし、目を伏せるジョンの誠意を感じたりしてました。
いくら前方端からの観劇で、下手側には目が届きにくいと
言っても、どうなのよそれは?と自己に突っ込み入れながら。

日本で、日本人ばかりで上演していると、
強者の理論の方に感情移入してしまうんだろうかと、
ちょっと嫌な気分になりながら幕間に友人と話していたら、
それは、この1幕に関しては分かる気がすると言われました。
ベトナム側である別所エンジニアや知念キムに共感できない。
それは、私個人の問題もあるかもしれないけれど、それよりも
「切実さ」がないから。強い憧れや愛情が見えてこないから。
別所エンジニアになんて、余裕まで感じてしまう。

2幕になってもその印象は変わらないまま終演。
結局 記憶に残ったのはエレンと、ものすごくアメリカンなジョン。
♪BUI DOIのイメージばかり強くていい人だと思っていた彼、
実はただ本当に「アメリカ人」なんだなと、とても納得。
常々、坂元健児のことを「脳みそ筋肉な人の表現は最高」と
評価している私ですが、ジョンって、とてもシンプルにそうかも。
その時その時、自分が正義と信じることをとても前向きに行う。
友人のために女を買うことも、友人の「気の迷い」を無視して
強引にアメリカに連れ帰ることも、自分らの「過去の過ち」である
BUI DOIのため、力を尽くして働くことも、すべて正義。
なんて いい奴、なんて素敵なアメリカン。惚れちゃうくらい。

知念キムも、切実さがない以外は魅力的でした。
とても細く華奢で、石井クリスと並ぶと人種差を感じさせるし、
結婚式〜トゥイの乱入辺りでは、素朴な優しさを見せる。
戦争さえなければ、両親のもとで育ち、トゥイに守られて
子を育て、幸せに生きたんだろうなと想像できるキム。
ただ、ベトナム社会と密着した雰囲気が強すぎるせいか、
最後の行動が、やっぱりどうも理解しにくい。
「自分になかったものを息子にあげる」と言う言葉が、
「望む人生を選ぶこと」じゃなく「幸せな家族」みたいに
感じられてしまったのが、少し、なんだかなぁでした。


<ソワレ>市村、松、井上、坂元、石川、泉見、高島
      アンサンブル:つ組
<座席>2階C-34番

ちょっとホッとした。このエンジニアなら、理解できる。
一夜で大金持ち、シャンパンに金髪美人にキャデラック。
笑っちゃうほど子供じみたイメージの「アメリカ」への憧れ。
でもその夢みたいなものを、あまりに切実に求めているから、
本当に笑っちゃいながら、同時に切なすぎて泣けてくる。
いつか本当の自分の力を生かせる場所へ行くまでの、
今は嘘と我慢と仮面と努力。夢がなきゃこんな場所で
生きていけるわけがない。こんな仕事していられない。

松キムも、やはり伊達に「松たか」じゃないなと思った。
基本のラインはきっちり押さえて、とにかくクリスを求める。
イっちゃってるんじゃないかと思うほど、その思いは強い。
歌も、友人から聞いたとおり少し聞きやすく丸みを帯びたし、
ラブストーリーとしての分かりやすさは文句のつけようがない。

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08月14日(土)
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