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今日の私
by かずき
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■『JCSエルサレム版』999回公演
お久しぶりです〜。
ちょっと長々とお腹をこわして寝込んでいまして、
まるで野の獣のように、寝てれば治るとばかりに
日に14時間とか寝て、他に何もしてなかったので。
ただ寝てればいいんですけど、動くとまずいんですよ。
最初のうちなんて、寝返りうっただけでも即トイレ。
電車に乗って会社なんて、とても行けませんわ。

なのに、ちょっと落ち着いたからといって、
いきなり出かけてきたのが、この公演。
全く取れないチケットを、四季の会会員の友人が
何とか手に入れてくれたから絶対外せなくて。
タイトルの「999回公演」というのは意味なしです。
たまたまそうだったらしいと終演後に知っただけ。
翌日は特別カーテンコールとかあったのかな?
でも翌日じゃ余計にチケットなかっただろうな(^^;

出演者はこんな感じ。
ジーザス:柳瀬大輔、ユダ:芝清道
マグダラのマリア:佐渡寧子、カヤパ:高井治
アンナス:喜納兼徳、ヘロデ王:半場俊一郎
ピラト:村俊英、シモン:大塚俊、ペテロ:賀山祐介
司祭たち:長裕二、小林克人、増田守人
他、アンサンブル

座席は、2階9列13番(最後列センター)。
例の四季劇場最悪と呼ばれる席で、見切れ多々。
特にきつい八百屋舞台である この舞台では、
劇場奥で進行するものは、ほぼ全く見えない。
体力がもつ限り、胸を太ももに乗せるような
体勢で観ていたけれど、それでも奥は見えず、
最後の十字架上のジーザスは、あごが見えるか
見えないかという状態だったけれど。

でも、良かった。素直に作品の良さが伝わった。
何となく思い出したのは、聖書っていうのは、
世界で一番読まれているファンタジーだって言葉。
宗教がうんちゃらとか面倒なことは放り出して、
単純に、とてもドラマティックで面白かった。
神の子と祀り上げられた男が十字架上で死ぬまで。
熱情と憎しみ、愛と裏切り、信頼と絶望、
あらゆるものが休憩なし110分に詰め込まれてる。
ああ、すごい舞台だ!やっぱり好きだ!と思った。

それを引っ張ったのは、ジーザス。
この体勢では、オペラグラスなんて使う余裕は
ほとんど無かったけれど、彼がしているであろう
憂いと慈悲、そして、わずかの戸惑いに満ちて
群集を見る微笑が、全身から感じられていました。
糧となるため、これから殺される羊である彼。

その彼を人間として見るが故に
苛つきを止められないユダも良かった。
本当に最初のうちから彼の心境が見えていただけに、
エルサレム入城でのジーザスの激しい怒りや
ゲッセマネでの「人間」ジーザスの思いが染みた。
ちょっと濃すぎる感はあったけれど、それくらいの
分かりやすさが、このドラマには合うかもしれない。
ただ、逮捕の場面は、もうちょいあっさり希望。

まあ、誰も彼もが良かったとは言わないけれど。
多分に遠かったせいもあると思いたいけれど、
カヤパとかピラトとか、ヘロデ王に至るまで、
誰がどの役でも構わないようなキャラだったし、
マグダラのマリアの佐渡さんは、やっぱり苦手。
「私、歌がうまいんです〜」って聞こえるし。
オペラ歌いの人はオペラに出れば面白いのに・・と
思いつつ終演後にキャスト表を見たら、納得。
私の苦手な青版コゼットさんでした。そうか。

でも、個々がどうこうってのが
本当に気にならない勢いのある舞台でした。
ピラトのソロも気持ちがしっかり伝わってきて、
終演後に、あのつまんないファントムの人?!と
キャスト表を見て驚いてしまったくらいだし、
何より主役がグイグイ引っ張って魅せてくれた。
すごく良いと褒められまくっているのを聞いて、
それで急遽取って、それでも大満足。
幸せってのは転がっているものだと思います。
07月29日(木)
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