ID:69077
今日の私
by かずき
[418010hit]

■阿佐スパ『ともだちが来た』
今日の劇場はザ・スズナリ。自由席で整理番号2番。
開場前から1番の人と何となく話をしていたら、
珍しいことに、帝劇や四季も結構観ている人らしい。
そして、なぜか桟敷席で祐一郎話で盛り上がる2人。
レミゼがエリザが、立ち見席がどうしたとか。
よりにもよって阿佐スパの前に、祐一郎話かい(^^;

「今度は帝劇で会いましょうね」って、名前も聞かずに
別れたけど、帝劇で会うのは相当ムチャな気が。
ま、入場前から開演まで40〜50分、退屈しなかったし
楽しかったからいいのですが。いつかまた会えるかな?


<幕>全1幕:約90分
<作>鈴江俊郎
<演出>中山祐一朗
<出演>長塚圭史、伊達暁

作・演出:長塚圭史でない阿佐スパを観るのは初めて。
今回は演出をしている中山さんが、以前に演った舞台だと
いうことだけは、昔シアガで読んだから知ってたけれど、
特にそれ以上は どんな話なのかも全く知らず。
伊達さんが、いつもの中山さんの演技とかぶって見える
時があったけど、そちらが中山さんだったのかな?

セットは、入った瞬間に『テキサス』を思い出す感じ。
上手に出入り口、奥に窓、下手に押し入れ。
畳が真新しい匂いがするのは開幕2日目だから?(苦笑)
演出は、特に何というイメージもなく あっさりめ。
ちょっと屈折どころが足りなくて、阿佐スパを
観に来たのにと思うと、食い足りない気分もあるけど
これくらいの短い脚本でなら、個人的には嫌いじゃない。

で、内容については。時々思うんですけど、
私、何が楽しくて阿佐スパ観続けてるのかなって。
だって本当にここの劇団って、すっきりしない。
観終えて「あ〜、楽しかった!」なんてことは勿論、
「そうか、こんな考え方もあるのか・・・」すらない。
ポ〜ンと何かを投げ出されて、後はどうとでもしてと
言われているような感じで、混乱しながら帰ってくる。
まあ要は、それがクセになってるのでしょうが。

今回は長塚圭史作品でもなかったというのに、
それでもやっぱり、何か気持ち悪い。すっきりしない。
大学1回生の「僕」の夏休み。下宿で畳の埃を見たり
アリを見つめたりしていると、訪ねてきた人がいる。
ボロボロの服。汚いスニーカーを履いたまま、
自転車と一緒にあがりこんでくる。「脱げよ」と言うと
「どっちだっていいんだけどな」と応える。

どうやら2人は幼なじみの剣道仲間だったらしく。
「19年生きてきて、友達はできなかった」と言う彼。
大学に入ってから彼女を作って部室でHしようとした僕を
見てしまったとかの思い出話も間にはさんで会話は続く。
「食べたり飲んだりが気持ち悪い」と言う彼。
「僕」を触ってみて「気持ちいい?」と聞く彼。
自分は感じない、ぺったんこだと言う彼。

彼が誰なのかは割とすぐに分かるんだけれど、
だからと言って話が何か進展すると言うわけでもなく。
合間合間で僕が繰り返す「お前が来てくれて嬉しいよ」が
どれくらい、どういう意味を持っているのか、
タイトルが『ともだちが来た』であることは何なのか、
やっぱり よく分からないままに帰ってくる。

ただ、そういえば「友達」ってあまり言わないなと。
「観劇仲間」「職場の同僚」「大学の同級生」。
「友達」と言われて思い浮かべるような相手であっても。
別に、「あなたには本当の友達はいますか?」みたいな
こっ恥ずかしいことを問いかける芝居じゃないんだけど。
阿佐スパは私にとって、自分の感情を理解するために
もしかしたら少し役立ってるのかなと思ったりしてみた。
12月18日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る