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今日の私
by かずき
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■『砂の戦士たち』前楽
『砂の戦士たち』3回目観てきました。
キャスト表や時間については、14日を参照して下さい。
もう楽も終わってしまっているので、エンディングまで
心行くまでネタバレして文句言いの文章です。


初回は6列目センター、2回目は2列目センター、
今度は17列目センター(センターでは最後列)からの観劇。
いや〜でも、3回目だからか遠くからだからか、
ようやく、面白いなと思いつつ観られた感じでした。

私ね、今回ほぼ主役の禅さんがどうも苦手で。
役柄のせいも多分にあると思うのですが、熱すぎる(^^;
ペドロといえば、集団の新しいリーダーで、確かに力で
リーダーの座を奪ったとはいえ、人望もあるらしい人物。
という設定ですが、私には「ついていけない」印象ばかり。
いいけどさぁ・・・って思ってしまっていたんですね。

が、遠くから見れば有り難いことに、
「ああ、こういうのも有りかもな」と思えました。
私には やっぱり、ついていけないタイプの人なのですが、
彼らは、理想を語れる人物が嬉しかったのかなと思えた。
それと平行して現代という場所では、彼のようなキャラが
やっぱり、「周りの人たちにとって暑苦しくて理想家で
1人で考えて突っ走っていくリーダー不適格者」と映ったと
描かれているおかげで、無理なく納得できた面もあるかも。

最後にペドロについていくことを選択した人たち。
子供たちはともかく、ペドロの進む道をサポートする
ことこそが我が道と思うジョアンが、少し納得できた。
女の子を拾ってきた時に、プロフェソールに相談しにいき、
正しいと確信しつつも切り出し方に迷うジョアンの可愛さや
優しさが すごく好きだっただけに、彼の未来への選択が
理解できたのは、何だかすごく嬉しかったな。
やっぱり私には、ペドロよりはボルタの方が理解でき、
共感しやすいキャラクターであることに違いはないけれど、
ジョアンを主とする皆が、認める人物が理解できたことで、
この舞台そのものへの違和感が大幅に減ったと思います。

もう一つの違和感、ドーラは、やっぱりダメでした。
ほとんど、少年たちを成長させるための象徴みたいな
役柄だけに、きちんと明るさや素直さが出ないとダメなのに。
宝塚出身のクセなのか、妙に商業臭さが見えて、すごく違う。
ペドロやピルリトとかが彼女を形容するたびに違和感。
これだったら、ドーラを実際には出さない脚本の方が、
純粋さが出て ずっと良かったんじゃないかなと思うのですが。
他の人が演ったらどう感じたかは分からないですけど・・。

前回、余計に混乱するからと、
記憶からあえて外して考えていたのが、センイの最期。
3回目を観てようやく、現代とのリンクに意味を見出せた
私ですが、センイの存在が現代では何になってたのかな?と疑問。
現代の部分では、劇中劇を無視して強引に横田を殺してまで
劇団内の絆を強めることにのみ力を注いだ脚本と感じるけれど、
「仲間」って、そんな安易でいいのかな?と見えてしまって。
まさか、「自分の才能を理解したから役者をやめる」と
自殺はリンクしていないだろうと思うのですが。

結局、何が描きたかったのかな・・・。まだ分からない。
きっと私が原作を読んだら、脚本家とは違うことを
テーマだと感じたんじゃないかなという気が、すごくする。
そこが最も今回、引っかかった部分なのかもしれないと思う。

坂元さんの歌に酔い、平沢さんや圭吾くんの踊りに見惚れ、
駒田さんのセリフの重みに共感して、最後まで楽しみました。
一番楽しいのがカーテンコールなのは3度目でも変わらなかった
けれど、それでも、本編部分も随分と面白かったと思います。
でも、現代の部分のエンディングをこう描いた脚本家が、
なぜ横田をいきなり殺さなければならなかったのか、
センイの最期をどう感じたのかが、とにかく気になりました。
11月18日(火)
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