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今日の私
by かずき
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■8/30レミゼマチネ(VISA貸切)偏り感想
今更なんですけど、山本マリウスに惚れました。
今までマリウスに関しては、岡田君の方が少し好きだけど
正直、どちらでもいいやという気持ちが強かったので、
他のキャスト主体に観劇回を選んでいたのですが、
気がつけば丸1か月半、山マリ観ていなかったみたい。
久々に観たら、すごーい成長していました。
今なら自信を持って言える。山本マリウスが好きだ。

若くて、全てを柔軟に吸収するマリウスだなと思う。
常に新しい思想を語り合う熱にあふれた学生たちが好きで、
その熱気を感じ吸収するのが好きだから、一緒にいる印象。
周りをとてもよく見て感じ取り、簡単に是非を出さずに
たくさんたくさん考えて行動を決めていくタイプなのかな。
一生懸命 考える姿は、時に内気っぽく可愛くも見えるけれど、
♪Red and Blackで、立ち上がってアンジョと握手した時は、
周りの勢いに流されたのでも 情熱を煽られたのでもなく、
もっと彼らとありたいという慣れ親しんだ貪欲な知識欲が
さっき出会ったばかりの新しい感情を凌駕したように見えて。
学生たちの熱気とは違う種類だけれど、明らかに「若さ」。

そして、その知識欲は指向性がありすぎるのも若さ。
エポニーヌに対する態度は、どう見ても子犬扱いで、
自分が興味を持っていない相手は全部同じなんだろうなと感じる。
10年後パリでテナルディエ一味がコゼットたちに襲い掛かった時、
本を地面に置く丁寧さが、先ほどまでのエポへの態度と比べて
雲泥の差!という感じで、あまりにエポが不憫になったり。
だから、岡田マリが恋の ふわふわ幸せ感を思い出させるのに対し、
山本マリだと、今まで全く理解不能・思考の範囲外だったものが
いきなり理解できるようになって、しかもど真ん中に放り込まれた
といった、まさに堅物の初恋という感じが強くなるのかも。

そういう「変化」が強く見えるのも、わたし的に好み。
共に戦い、互いに磨きあう人間関係だけでなく、
守りたいと思い、安らぎを与えられる関係を知ったこと。
それでも選んで共に戦った仲間たちに死に遅れてしまったこと。
それらを経た山本マリは、男っぽく頼れる姿になっていて。
「いい若者」が「いい男」に近づきつつある印象で、
これならコゼットを任せてもいいかと思えました。
ちなみに、昔よく論争した、バリケードと♪カフェソング、
♪カフェソングと♪エブリデイ、どちらの間の方が
長い日数が経っているかというものに関しては、
山本マリは明らかにバリケードから♪カフェソングかも。
バリケード後 数日、やっと歩けるようになった感じでした。

一言で言えば、なんて好青年なのかしら(*^^*)ですが。
お前何も分かってないだろ?って感じの ぼけぼけ君で、
ABCカフェのアイドルのようなマリウスも大好きですが、
やっぱり知性と男らしさを感じさせられてしまうと弱いです。
このマリウスなら、原作の続編『コゼット』において
新聞で思想を訴え続けているマリウス像が理解できるという点で
ちょこっと、戸井勝海の二度目のマリウスを思い出した感も。

今日本当は、山口-岡楽を観に行ったはずでした。
前に一度観た時は、岡さんがまだ格下に見えてしまって
バランスの悪い舞台だったから、今度こそ!と思って。
いざ観てみたら、その点に関しては満足できたと思います。
でも、これは完全に私の好みで、好きじゃなかったようで。

私は舞台を観る時、何かしら共感して入り込んで観たい。
でも、岡ジャベは その高潔な徹底した生き方で、
私みたいな凡人の入り込む隙を全く見せてくれない。
今までなら♪自殺は、ジャベの混乱や無念を共に感じ、
決断して落ちた後も、拍手する気分になんてなれなかった。
それが、岡ジャベだとあまりの見事さに思わず拍手してしまう。
山口バルジャンも、半分 神と化したような透明さがあり、
感情に入り込むと言うよりは降るような音に聞き入ってしまう。
その2人がバランス良く揃うと、私には疎外感があるようで。
私と物語の間にあまりに大きな壁があって、遠く感じる。


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08月30日(土)
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